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シリーズ「謝罪の流儀2020」では、謝罪についての意識調査を、日経ビジネス電子版の読者を対象に12月2~11日にかけて実施した。今回は、アンケートに寄せられた「許せる謝罪」「許せない謝罪」などについて、読者のコメントを紹介する。

■調査概要
有効回答数380人。男性78.9%、女性21.1%。60代24.7%、50代43.7%、40代17.4%、その他14.2%。日経ビジネス(雑誌)の12月21日号特集「謝罪の流儀2020」でもアンケート結果を紹介している。

許せる謝罪とは?(写真:PIXTA)

 前々回の記事で、危機管理の専門家である大森朝日氏は謝罪について、「怒りが起こるのは原因があるので、その原因をよく理解してメッセージを出さないといけない」「よく分からないけど謝る、ではだめなのです。相手の理解を導くには、原因と対策をつまびらかにする必要があります」と指摘していた。

 では、読者はどのような謝罪をしたら失敗し、どのような謝罪なら受け入れてきたのか。

 まずは、自身の失敗談について尋ねた。

Q 仕事やプライベートでの謝罪がうまくいかなかったのは、どのような場合ですか。あなたの「謝罪の失敗談」をお聞かせください。

 寄せられた回答の中で目立ったのが、とりあえず怒っている相手に謝罪はしたものの、実はなぜ怒っているのか、その背景や原因がよく分かっていなかったというケースだ。

 「謝罪案件そのものについて理解や調査、原因の究明等が十分でない状態で謝罪に臨んだ場合」(女性、57歳、主婦)

 「客先からのクレームに対して、原因がはっきりと分からず、多分こうだと思うのでというとりあえずの対策を提示して謝罪したが、相手は納得していない様子だった。とはいえ、こちらもこれ以上どうしようもない(分からない)状態だったので、取引停止も覚悟でそのまま押し切ったことがある。

 取引停止にはならなかったので完全な失敗ではないかもしれないが、その取引先はその後、なんとなく気持ちが重くなる相手となってしまった」(男性、52歳、会社員)

 そもそも、謝罪に至るというケースについても、

 「電話対応での謝罪に至るケースの多くは、自分の知識不足であやふやな説明に追い込まれたときだった」(男性、55歳、会社員)

 といった回答が寄せられた。

 自身が理解しないまま謝罪や対応をしてしまうと、やはり失敗するケースが多いようだ。

 謝罪の時機を逸したことで失敗したという声も寄せられた。

 「対応が遅れたとき。理由としては、原因の解明、社内の上司の承認を取る、などの理由で、謝罪が遅れた。結果的に先方の怒りの度合いを高め、問題を長期化させた」(男性、65歳、会社役員)

 さらに、対応すべき「人」を誤ったのが下記ケースだ。

 「顧客プロジェクトの進捗が思わしくなく、顧客社長席から対応協議に呼ばれた際、(当社側は)権限の釣り合わない上司が対応し顧客満足度を後退させ、クレーム対応に発展した。

 当社の担当管理職に『うちのせいではない』という意識が強く、第三者的立場を貫こうとする深層心理があったことが要因。その姿勢が顧客トップの目には『誠意がない』と映ってしまった」(女性、50歳、会社員)