最低でもこれだけの失業率の押し下げ効果があったことになる。しかし、1人に30万円は年間360万円と高い。支給は給与の6割が上限であることや日本の平均年収が400万円台であることや今回多大な影響を受けた宿泊業などの業種の平均年収が低いことから失業率の押し下げ効果は最小で1.2%、最大で2.0%程度と想定される。通常の景気悪化であれば、5%程度まで行ったであろう失業率は3%程度で止まったと考えるのが妥当なところだろう。

世界的なカネ余りが下支えする

 日本の10年国債の金利がほぼ0%であることは有名なところだが、コロナ禍において先進国のほとんどが10年国債の金利が1%より低くなっている。これは世界的にカネ余りであることを意味しており、その低い借入金利を運用するための投資先を世界中で探している状況にある。

 そこで、不動産は投資先として有望視されている。特に、自宅を含めた住宅投資は世帯数が増えている限り、根強い需要が存在しており、不動産市場の中で最も底堅い市場である。世界の先進国の中でも、日本のコロナ被害は小さい。こうなると、投資資金は日本の住宅市場にやってくる。この資金量は、持ち家を買いたい人の需要を上回るほどと想定される。自宅を日本人が誰も買わなくても、別の外国人投資家が買っていく状況にあるということだ。

 このようにお金のばらまきが行われている中では資産の換金(売り)ニーズは総じて減少する。当面の資金に困っていないからだ。2020年の死亡者数が前年を下回ったように、衛生管理の徹底は人を長生きにさせており、相続の発生が減っている。こうして、不動産の売りが少なくなり、売却資産の在庫は減少する方向に動いている。

 一方、自宅の買い手はコロナ禍で家に長くいたために旺盛な自宅購入意欲が顕在化して、買い手が増えている。在庫が少なく、需要が旺盛だと不動産価格は上がりやすい。新築分譲マンションの販売センターは3密を避けながら販売を続けているが、予約が取れないほど活況だ。中古マンションの成約価格はこれまで以上にうなぎ登りである。新築分譲戸建ては、在庫が急減、今では値引きもされずに売れていく状態にある。賃貸住宅の稼働率は低下したが、直前が高稼働率だったので、いまだに都市圏の賃料は上がり続けているし、地方都市は流出超過していた人口が東京などの都市圏に出て行かない分、堅調に推移している。

GO TO キャンペーンが再開すれば、不動産業は全業態活気づく

 不動産業の今後の展望は明るい。これまで傷んだホテルと飲食には、補正予算が十分なほど用意されており、停止前のGO TO キャンペーン事業の効果が十分にあることは既に立証されている。

 GO TO キャンペーン事業には、予算規模で1兆6794億円計上されている。トラベル、イート、イベント、商店街の4つの傷んだ業界をピンポイントで活況にする。トラベルでいうと、ゴールデンウイークのような需要の集中が見られ、補助が多いものだから宿泊代の値上げも横行した。いずれにしても、特需を起こすので、効果はてきめんに現れることは約束されている。

 コロナ禍の状況もワクチンによって情勢は変わる見通しが立ちつつある。そうなったら、大きくは崩れていない不動産市場の回復基調が鮮明になる可能性がある。アフターコロナの方がそれ以前よりも活気づくというのは現実味を帯び始めている。

この記事はシリーズ「コロナ収束後を見通した逆張りご自宅戦略」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。