(写真:PIXTA)

 2020年の日本人の死亡者数は前年比で約1.5万人減っている。少子高齢化社会では高齢者が増加する分、死亡者数も増えるものだ。しかし、2020年はコロナ禍だからこそ、死亡者数は減っているのだ。コロナは衛生管理を周知徹底させたために、寿命を延ばす結果となっている。コロナの最大の恩恵は健康意識の高まりにある。そんな中、家は売れている。その際の選び方は一過性のコロナ対応ではなく、一生を健康的に過ごすための安心を中心に考えたいものだ。そこで家と健康の関係を調べてみて分かったことは、「マンション住まいは長生きする」という事実である。

コロナよりも怖い病気はたくさんある

 コロナを死因とする死亡者数は毎日ニュースで報じられている。およそ1年経過した2021年1月30日時点で、累計5652人である。しかし、その数が他の死因で亡くなった死亡者数と比較されることは少ない。2019年の死因別年間死亡者数は以下の通りである。

■年間死亡者数(2019年)■
総数 138万人  3784人/日
がん 38万9841人
肺炎 9万5498人
感染症 2万3529人
インフルエンザ 3571人
交通事故 4295人
自殺 1万9415人
他殺 293人
(出典)人口動態統計

 コロナでは基礎疾患がある人の死亡率が高いことは世に知られている。厚生労働省発表資料によると、19歳以下の死亡者はゼロ、20~59歳も191人と少なく、それ以外はすべて60歳以上となる。免疫力が下がり、弱った体にはどんな病気でも死に至る可能性を秘めている。それは高齢化とともに確率を高めてしまうものだ。その意味で、家は体にやさしく、長生きできるところを選びたい。

家での不慮の死亡に注意

 家での不慮の死亡は多い。東京都健康長寿医療センター研究所は、浴室での心肺停止状態を含む全国での死亡者総数を2011年の年間で約1万7000人と推計している。この調査方法は、東日本全消防本部(救急車での搬送事例)の81%の調査協力を得る形で、ヒートショックでの死亡者数を把握したのだ。現時点でもコロナの3倍の死亡者数を出しており、特に冬場に集中して多い。ヒートショックは、主に家の中の温度差により起こる。熱い湯船と寒い脱衣所の間の移動などで血圧は急激に大きく変動し、心肺停止状態になってしまうのだ。このためにも、家の中の寒暖差を少なくすることが必要で、脱衣所や浴室での暖房が重要になってくるのだ。

マンションは戸建てより長生きする

 国勢調査のデータを使って、建物別に寿命を計算することができる。そうなると、どんな建物に住むと長生きするかが見えてくる。その結果は分譲マンション(鉄筋コンクリート造)、戸建て(木造)、アパート(木造が多い)の順になる。分析方法は、60~64歳の20年後の生残率(生きている確率)の比較という形で行う。戸建て居住者の生残率が67.4%に対して、分譲マンションが73.2%と5.8ポイント高く、長生きしている。これに対して、アパートは53.2%にすぎず、戸建てより14.2ポイントも悪い。これを年齢差にすると、分譲マンションが戸建てよりも1.1歳長生きし、アパートは戸建てよりも2.7歳早死にすることになる。60歳以降の1年の寿命差は大きい。

続きを読む 2/2 マンション居住者が高齢化する

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