新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の世界的な流行で、各国の検疫政策は流動的になっている。2021年12月4日時点で、日本からの出国、日本への帰国時にはどのような制約があるのか。今秋に香港からの帰国を経験した記者が、海外渡航時に知っておくべき10のポイントを解説する。

<事前準備編>
1:今、日本人が短期出張できる国・地域は?
2:今、日本人の短期出張が難しい国・地域は?
3:今、日本に入れるのはどんな人?
4:日本人でも帰国できない状況はあり得る?
5:日本の空港で国際線に乗れるのはどこ?
<実践編>
6:日本への入帰国前にはどんな検査が必要?
7:日本への入帰国時にはどんなアプリが必要?
8:日本への入帰国時の隔離はどこでする?
9:隔離中は外出できる?
10:入帰国時の誓約に違反するとどうなる?
1:今、日本人が短期出張できる国・地域は?
新型コロナウイルスのワクチンを接種していれば、米国、英国、フランスなどには現時点でも入国できる。ワクチンを接種していなければ、隔離やさらなる検査を求められたり、そもそも入国できなかったりする。
2:今、日本人の短期出張が難しい国・地域は?
アジアでは厳しい入国制限を続けている国が多く、日本人に対するビザなしでの入国は多くの国で停止されている。中国本土は特に厳しく、原則としてワクチン接種証明書や地方政府の招聘書が必要で約1カ月間の隔離を要求する都市もある。台湾はビザの発行を原則停止している。香港は21日間の指定ホテルでの隔離が必要で非居住者の入境はできない。10日間の隔離がある韓国と7日間の隔離があるシンガポールも同様に短期出張は難しい。
3:今、日本に入れるのはどんな人?
2021年12月3日時点で日本に入国できるのは日本のパスポートを持つ人と特別永住者、そして「特段の事情」を有する人に限られる。「特段の事情」がある人には、再入国許可を得た外国人や日本人・永住者の配偶者・子が含まれる。ただし、オミクロン型が流行した影響で日本人の配偶者でも在留資格「短期滞在」では原則入国できない。
4:日本人でも帰国できない状況はあり得る?
オミクロン型の国内への流入防止のため、国土交通省は航空各社に対して今月末まで日本に到着する全ての国際線の新規予約停止を要請した。日本人も帰国困難になる可能性が高まり、在外邦人の間で波紋が広がったが、要請はその後撤回された。
しかし、一日あたりの入国者数の上限を今月から3500人に引き下げるという施策は引き続き実行されており、一部の航空会社は予約数に制限を設けている。オミクロン型の影響で在外邦人の帰国や外国人の再入国が増加すれば、帰国希望者が飛行機を予約できない可能性はある。
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