2021年1~10月に1000人以上の早期・希望退職を募った上場企業は5社で、金融危機だった01年の6社に次ぐ水準になっている。新型コロナウイルス禍で業績が悪化し、大規模な募集が増えている。パナソニックもホンダも断行した早期退職について、知っておきたいことをまとめた。

(写真:共同通信)
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1:そもそも早期退職とは?
2:通常の退職と条件は違う?
3:対象になる年齢は?
4:早期退職人数で最も数が多い企業は?
5:企業が募集する背景には何がある?
6:パナソニックとホンダの早期退職の概要は?
7:過去の大型募集の内容は?
8:優秀な人材が流出することもあるのでは?
9:社員にとって早期退職を決める際に注意すべきことは?
10:上手な早期退職の方法は?

1:そもそも早期退職とは?

 会社が通常の退職よりも有利な条件を提示して退職希望者を募り、定年前に退職を促す制度を指す。

 希望退職制度との違いは、人員整理を主な目的とするかどうかにある。早期退職は組織の人員構成を整えることや従業員の人生の選択肢を広げたりすることを目的としており、目標人員を定めず、恒常的な制度として実施されることも多い。経営が差し迫った状況で実施されやすい希望退職は人件費削減を主な目的として、目標人員を明示して、期間を限定する。

2:通常の退職と条件は違う?

 一つが割増退職金で、通常の退職金に加えて特別に上乗せする。早期退職を実施している企業で体力のある大手は、年収の2~4年分を乗せることもある。一方、リタイアメントプランに詳しいファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏は「中小企業で経営が厳しければ半年分であっても出せない企業もある」と話す。

 早期退職にはセカンドキャリアの促進という目的もある。特別休暇を付与するかどうかや、それを有給とするかどうかは企業が自由に決められる。

3:対象になる年齢は?

 40~50歳代が対象になるケースが多い。厚生労働省の「就労条件総合調査」(2018年版)によると、大学・大学院卒で45歳以上かつ勤続20年以上の社員の場合、早期優遇で受け取れる退職金の平均額は2326万円。定年まで働いて得られる退職金1983万円を超える金額が得られる。

4:早期退職人数で最も数が多い企業は?

 東京商工リサーチ(東京・千代田)によると、21年1月から10月末までに早期・希望退職者を募った上場企業は72社で、人数は計1万4505人。前年同期比で企業数は1社、人数は7%減ったが、1000人以上の大型の早期・希望退職は20年ぶりの水準にある。

 早期・希望退職含めた募集人数もしくは応募人数は、現時点で希望退職を実施した日本たばこ産業(JT)がパートタイマーや子会社の従業員計2950人となった。ほかには早期退職を実施したホンダ2000人、KNT-CTホールディングス1376人、パナソニック1000人超、LIXILなどが続く。

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