6:会社分割のデメリットは?

 会社分割によって組織が小さくなるため、経営基盤の安定性がなくなり、将来のリスクは大きくなるとの指摘がある。社内で他の事業部門との間でシナジーがあった会社の場合には、シナジーが消失する。

 東芝の綱川社長兼最高経営責任者(CEO)は12日の記者会見で、基本的にすべての研究所を2つの事業会社に分けるとした上で「総合力を発揮できる仕組み、プロセスへと工夫しなければならない」「メリットが多いと思うがデメリット的なものも工夫によって改善していきたい」と述べた。

7:スピンオフの税制上のメリットは?

 17年の税制改正で、スピンオフで一定の条件を満たせば課税の繰り延べが認められるようになった。改正前は、親会社が子会社や事業部門を売却したとみなし、子会社(事業部門)の簿価と分配時の時価との差額が親会社の益金とされて課税対象となった。株主も、分配される株に対しみなし配当として課税された。

8:株主はどうなる?

 スピンオフをすることで株主には新たにスピンオフされた会社の株式が割り当てられることになる。東芝の場合は、12日の会見で平田政善最高財務責任者(CFO)が「2年後のどこかの時点で東芝の株式を分割して差し上げる。その後どのような構成にするかは株主の判断による」と説明した。

9:社員はどうなる?

 会社法では、元の会社と労働者の間の労働契約は会社分割契約などの定めに従って、特段の合意がない限り、分割された事業の従業員は新たな会社に同様の労働条件で承継される。労働条件を変更する際は、労働組合法や労働契約法の労使間の合意が必要なため、会社分割を理由とする一方的な労働条件の不利益変更を行ってはならない。

10:過去にスピンオフをした例は?

 日本では税制改正によって17年にスピンオフの制度が整った。国内適用第1号はフィットネスクラブ運営のカーブスホールディングスで、カラオケ事業を展開するコシダカホールディングスから分離し、20年3月に上場した。複合企業が主要事業ごとに分割して上場するのは東芝が国内で初めての事例となる。

 海外では電子決済のペイパルを切り離した米イーベイのほか、米ヒューレット・パッカード、米ダウ・デュポン、独化学大手バイエルなど例は多い。

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