8:金融市場や実体経済に与える影響は?

 関連需要を手掛ける日本企業の株価が軟調なことが示すように、中国経済の下押し要因の1つになるのは間違いない。ただ、習近平国家主席が、5年に一度開かれる2022年の党大会で3期目を狙うためにも、「金融市場や実体経済を崩壊させることはしないだろう」(国内金融機関の中国担当エコノミスト)との見方は根強い。中国恒大自体は救済しないとしても、国営企業が事業を引き継ぐなどして混乱を抑制する可能性が高い。

9:日本の不動産市場にも影響する?

 影響は読みづらい。もともと新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「実際に物件を見ることができず、日本国内のマンションや収益物件などを買う中国人は減っていた」(都内の不動産売買仲介業者)という。中国本土の市況悪化が、中国人が日本国内に保有する不動産物件の手じまい売りを迫るほど深刻になるかどうかがポイントになりそうだ。

10:中国でも日本のバブル崩壊のようなことが起きる?

 日本で1980~90年代に起きた経済バブルは、「土地の値段は下がらない」という“不動産神話”に基づいた銀行の貸し出しが過剰に膨らんだことが原因だった。中国恒大が事業を急速に拡大できたのは不動産を投資対象として購入する動きが広がったためで、日本のバブルと状況は似ている。ただ、中国は日本のバブルを観察して分析を済ませているはずで、ソフトランディングのためにどんな政策対応をするかが注目される。注意したいのは、2001年のエンロン事件や2009年のギリシャ危機のように、不正会計などの不測の事態が突然明らかになって市場にショックが及ぶ事態だ。

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