4:生活は不便にならないの?

 12品目を見ると、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ホテルやクリーニング店など幅広い生活シーンで対応が求められることがわかる。

 例えば、コンビニで食品を買う際、プラスチック製のスプーンやフォークが有料化される可能性がある。消費者がそれらの購入を避けたい場合、外出先にマイスプーンやマイフォークなどを持ち歩く必要が出てくるかもしれない。消費者が辞退すれば、事業者が何らかのポイント還元をするようになる可能性もある。

 20年7月に始まったレジ袋の有料化では、消費者の辞退率が上がっているようだ。やや古いデータだが、小泉進次郎環境相は21年4月の参院決算委員会で、コンビニは23%から75%に、スーパーで57%から80%に上昇したと明らかにした。ドラッグストアではレジ袋の使用量が84%減ったという。

5:小売店や飲食店の対応状況は?

 環境省とセブン-イレブン・ジャパンは6~7月に実証実験を実施。厚生労働省や環境省が入る中央合同庁舎5号館など都内6カ所のセブンイレブンの店舗で、スプーンやフォークなどのプラスチック製カトラリーを辞退した場合にnanacoポイントを付与した。

 スターバックスコーヒージャパンは全てのフラペチーノについて、9月から順次、国際的な森林認証制度「FSC認証」の紙ストローでの提供を始めている。この素材切り替えにより店舗で提供する全てのストローがFSC認証紙製になり、年間約2億本分のプラスチックストローの削減につながるという。

 クリーニング店運営の白洋舍はプラスチックハンガーの回収に協力した利用者に、エコポイントを付与する取り組みを展開している。同社によると、18年の1年間で340万本弱のハンガーを回収した。ブナの木1万本余りが1年間で吸収するCO2と同量のCO2削減効果に相当するという。

6:海外の動きは?

 欧州ではプラスチック製品の過剰利用を抑える取り組みが進んでいるとされる。欧州連合(EU)の欧州委員会は19年に「特定プラスチック製品の環境負荷低減に関する指令」を定めた。

 食器やストロー、ナイフ、フォークといった使い捨てのプラスチック製品に関して、EU市場への上市を禁止するもので、EU加盟国による法制化を経て、指令の一部適用が始まった。ペットボトルの再生材利用率を25年までに25%、全ての飲料用ボトルは30年までに30%とする目標なども掲げている。

 中国では20年、国家発展改革委員会が「プラスチック汚染対策の一層の強化に関する意見」を公表した。22年までに使い捨てプラスチック製品の消費量を顕著に減らすことや、代替製品の普及、プラスチック廃棄物の資源化・エネルギー化率を大幅に高めることなどを目標としている。

7:環境保護にプラスといえる?

 プラスチック資源に対する消費者の意識や行動を変化させる動機付けにはなりそうだ。12品目に指定されたのは、いずれも身近なプラスチック製品。これまで無料で提供されていたことで見えにくくなっていた資源価値を改めて認識するきっかけになるかもしれない。

 ただ、全体としての効果は未知数だ。先述したレジ袋の有料化では、辞退率が上がった半面、家庭用ゴミ袋の売り上げが大幅に増えたとのデータもある。コロナ禍では食品の持ち帰りに使うプラスチック容器の消費量も増えており、上記の12品目以外にも目を向けられるかどうかが重要といえる。