ワクチン接種を証明するいわゆる「ワクチンパスポート」。すでに海外では飲食店や映画館などに入る際、提示を義務付ける国もある。日本では海外渡航用に接種証明書の交付申請の受け付けが始まった。注目を集めるワクチンパスポートについて知っておきたい10項目を整理した。

1:ワクチンパスポートとは何か?
2:どうすれば入手できる?
3:海外に行くためには必須?
4:海外から日本に入国する際にも必要?
5:持っているとほかに何かメリットはある?
6:海外でワクチンパスポートはどのように使われている?
7:日本でも飲食店、劇場などで提示が求められるようになる?
8:仕事で必要になる?
9:差別につながるなどの意見もあるが法的には問題ない?
10:デジタル化される予定は?

1:ワクチンパスポートとは何か?

 ワクチンパスポートとは、新型コロナウイルスなどのワクチン接種証明書のこと。現在、日本でワクチンパスポートと呼ばれている証明書は海外渡航用の新型コロナウイルスワクチン接種証明書で、7月26日から各市町村(特別区を含む)が交付申請の受け付けを開始している。現時点では書面による交付となっており、 ファイザーやモデルナのワクチンの場合、2回の接種を終えていることが条件になる。

現在日本では海外渡航目的に限り新型コロナワクチン接種証明書を交付している。(写真:PIXTA)
現在日本では海外渡航目的に限り新型コロナワクチン接種証明書を交付している。(写真:PIXTA)

2:どうすれば入手できる?

 申請先は各市町村だ。職域接種などで接種した場合でも、接種に利用した接種券を交付した各市町村(基本的には住民票のある自治体)に申請することになる。

 申請に必要な書類は基本的に以下の通り。

  • 各地方自治体が用意する申請書
  • 海外渡航時に有効なパスポート
  • 接種券のうち「予診のみ」部分
  • 接種済証または接種記録書

 申請方法は自治体によって異なるため確認が必要になる。例えば新宿区では郵送のみ、神戸市では市の申請フォームを使った電子申請のみ受け付けている。

3:海外に行くためには必要?

 多くの国では必要ないが、日本のワクチンパスポートがあると入国時の新型コロナ関連の検査や隔離に関する優遇措置を受けられる場合がある。9月1日時点ではドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、トルコ、香港、ベトナムなど約30の国と地域で、防疫措置の免除や緩和を受けられる。

 例えば、フランスやドイツに入国する際、日本のワクチンパスポートを提示することで、出発72時間前以内のPCR検査などによる陰性証明書の提示が省略できる。

4:海外から日本に入国する際にも必要?

 8月下旬時点で、日本に入国する際にワクチンパスポートは使えない。接種証明書の有無や国籍にかかわらず、出国から72時間前以内のPCR検査や抗原定量検査結果の提出や、検疫所が確保する宿泊施設での待機などをしなければならない。

5:持っているとほかに何かメリットはある?

 現時点で海外渡航目的以外にワクチンパスポートを持っているメリットはほとんどない。そのため、海外渡航予定がない場合は急いで申請する必要はなさそうだ。

 ただ、8月25日の会見で菅義偉首相は「ワクチン接種証明書の積極的な活用の方法を含め、飲食店の利用、旅行、イベントなど日常生活や社会経済活動の回復もしっかり検討する」と述べており、今後、現在交付されているワクチンパスポートや別の証明書の国内利用が始まる可能性はある。

 ワクチン接種記録の国内利用については、経済活動の活性化を期待して、かねて経済界から要望の声が上がっていた。日本経済団体連合会は6月24日に提言を出しており、ワクチンの接種記録の提示によって割引が受けられたり、陰性証明書なども併用してイベント会場に優先入場できたりといった使い方を提案している。

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