政府は7月8日、東京都を対象に4度目となる緊急事態宣言を発令することを決定した。今回の宣言の特徴は感染リスクが高いとされる飲食店での酒類の提供への対策を強化すること。強化の中身や理由など今分かっている10項目を解説する。

1:規制強化の内容は?
2:酒類の提供制限を強化する理由は?
3:店でお酒を出さないことが、感染抑制に有効な理由は?
4:協力しない飲食店への罰則は?
5:一度罰則を受けたら、もう罰則は受けない?
6:協力している飲食店への支援状況は?
7:酒類販売業者への支援は?
8:酒類販売業者などの反応は?
9:コンビニエンスストアなど、個人に対する酒類の販売への影響は?
10:法的には今回の酒類提供への規制強化の要請に問題はない?

東京都では7月12日から8月22日まで酒類の提供が一律停止となる(写真:共同通信)

1:規制強化の内容は?

 菅義偉首相が7月8日、緊急事態宣言の発令を発表するとともに「(宣言を発令する)東京、沖縄では、感染リスクを封じ込めるために飲食店における酒類の提供を一律に停止する」と表明した。「まん延防止等重点措置」の対象となる神奈川や大阪など4府県でも、酒類の提供は原則停止する(知事の判断で午後7時までは提供できる)。

 これまで東京都のまん延防止措置の地域では、1組2人までを対象とした酒類の提供を認め、オーダーは午前11時~午後7時の間までとし、滞在時間は90分以内にするよう要請していた。店舗の営業時間については、これまでと同じく午後8時までとなっている。

 西村康稔経済財政・再生相は同日、飲食店での酒類提供を強化する方法を提示。酒類の提供を停止せず、休業要請にも応じない店との取引はやめるよう、酒類の販売業者に促すという。休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に教える方針も示したが、行き過ぎているなどと指摘を受け、7月9日に撤回することとなった。

2:酒類の提供制限を強化する理由は?

 西村大臣は7月8日、時短営業の要請などこれまでの取り組みに対して「協力している飲食店からは(時短営業などを行っていない飲食店に客が集まりにぎわっていることに)不公平感を抱いている声が多数ある」と指摘した。

 協力している店舗は早期に支援していく一方で、協力しない店には改正新型インフルエンザ等対策特別措置法で定めた命令や罰則を実施することに加え、上記のように取引業者にも働きかけ「メリハリをつけて公平に対応していく」とした。

3:店でお酒を出さないことが、感染抑制に有効な理由は?

 菅首相は7月8日、「お酒を伴う飲食は、どうしてもマスクを外す時間が長くなる」などとリスクを訴えた。政府はこれまでも飲酒の影響で気分が高揚し、注意力が低下したり、大声になりやすいことなどを理由として、飲食を伴った集まりが感染リスクを高めると説明してきた。ただ、酒席がどれだけ感染拡大に影響してきたのか、見えにくいとの指摘もある。

 これに対して厚生労働省の専門家組織であるアドバイザリーボードは7月7日、酒の出る会食に複数回参加した人は新型コロナに感染しやすくなるとの分析結果を公表。過去2週間のうちに、酒の出る3人以上の会食に2回以上参加した人は、それ以下の回数の人に比べて約5倍感染しやすかったという。

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