財務省は4月27日、延期していた新500円硬貨の発行を11月から始めると発表した。現行の500円硬貨とどう違うのか、なぜ導入するのかなど10項目についてまとめた。

1:なぜ新しい500円硬貨が必要?
2:これまでの500円硬貨との違いは?
3:発行が延期になっていた理由は?
4:これまで500円硬貨はどれくらい変更されてきた?
5:新硬貨の製造は進んでいる?
6:今の500円硬貨と置き換わるのはいつ?
7:新貨幣への対応でかかるコストは?
8:500円硬貨が偽造された枚数はどれくらい?
9:ほかの硬貨の変更は?
10:キャッシュレス化が進む中で貨幣の流通量は減っている?

新500円硬貨のイメージ(財務省提供)

1:なぜ新しい500円硬貨が必要?

 偽造防止を強化するためだ。財務省は2019年4月、渋沢栄一を肖像に使った新1万円札や、津田梅子の新5千円札、北里柴三郎の新千円札への刷新とあわせて新500円硬貨の導入を発表した。新紙幣の導入は24年度上半期、新500円硬貨の導入は当初、21年上半期とされていた。

2:これまでの500円硬貨との違いは?

 偽造防止のため、大きく3つの変更が行わている。1つはバイカラー・クラッドという技術が使われている点だ。これは、下の図のように異なる種類の金属板をサンドイッチ状に挟み込んだ「クラッド」材と呼ばれる3層構造の円板を、別の金属から作ったドーナツ状の板にはめ込んで1枚の硬貨を造り上げる。完成品はバイカラー(2色)になる。

 具体的な金属の種類としては、従来の500円硬貨は銅と亜鉛とニッケルからなる「ニッケル黄銅」で造られていたが、新500円硬貨ではニッケル黄銅に加えて、2種類目として銅とニッケルでできた「白銅」、3種類目として銅も使う。バイカラー・クラッドは国内では08年から発行された地方自治法施行60周年記念の500円硬貨でも用いられた。

完成品はバイカラー(2色)に見える(財務省提供)

 2つ目は現行の500円硬貨では縁に同一方向にギザギザが刻まれているが、この一部を異なる形状にする。3つ目は裏面の端の部分に小さく「500YEN」「JAPAN」と刻印する。

上の写真は現在の500円硬貨。表と裏のデザインがやや変更されている。下は新硬貨の裏面のイメージ(上:shutterstock、下:財務省提供)

 直径は26.5mmで現行と同じ。重さは7.1グラムで0.1グラム重くなる。

3:発行が延期になっていた理由は?

 財務省は今年1月、新500円硬貨の発行を10月以降に延期すると発表した。理由は新型コロナウイルスの感染拡大で、現金自動預払機(ATM)や駅の券売機などの改修作業に遅れが出て「発行までに改修が完了するか不透明だったため」(財務省担当者)。

 ATMの改修は8~9割、券売機の改修は7~8割まで進んでいることから11月の発行を決めたという。

4:これまで500円硬貨はどれくらい変更されてきた?

 現行の500円硬貨は2代目。今回発表されたものが3代目となる。

 500円硬貨が登場したのは1982年のこと。それまで発行されていた岩倉具視の肖像が描かれた500円紙幣に代わるかたちで登場した。縁に「◆ NIPPON ◆ 500 ◆」と刻印がされていた。

 現行の2代目は2000年に発行された。素材は前述のようにニッケル黄銅で、初代の白銅から変更された。また、縁は前述のように斜めのギザギザが刻まれるなどの偽造対策が取り入れられた。

5:新硬貨の製造は進んでいる?

 財務省によると、現在のところ製造はまだ行われていない。7月ごろから始める予定だという。

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