5:罰則はどうなっている?

 労働基準法では、10日以上の年休が付与される労働者に対して使用者が5日の年休を与えなかった場合、30万円以下の罰金を科すとしている。労働者の意向を聞いて取得時期を決めていたとしても、労働者が従わずに出勤して5日の取得ができなかった場合は使用者が違反を問われることになる。

6:これまで労働基準法上の違反はどれくらいあった?

 厚生労働省の労働基準監督年報によると、5日の取得義務を含め、年休取得の法令に違反している件数は、労働基準監督署による調査で分かったものだけで20年に全国で3486件に上った。

20年に年休取得について定めた労働基準法39条への違反が確認されたのは全国で3486件に上った(写真:PIXTA)
20年に年休取得について定めた労働基準法39条への違反が確認されたのは全国で3486件に上った(写真:PIXTA)

7:違反した企業はすぐに罰金が科される?

 労働者に5日以上の年休を取得させなければ、すぐに罰金が科されるわけではない。

 労基署の調査で法令違反などが認められた場合、まずは労基署が是正勧告や改善指導を行うのが一般的。そこで是正や改善が確認されれば、対応は終了となる。

 ただ、度重なる指導にもかかわらず違反の是正が行われないといった重大・悪質な事案に関しては刑事事件として労基署が取り調べや捜索・差し押さえといった捜査を行い、事件を検察庁に送致(送検)。検察庁が起訴すれば、裁判によって罰金刑が言い渡されたり、裁判を経ない略式命令で罰金が科されたりする可能性がある。

 実際に罰金刑などが科された件数は明らかにされていないが、労働基準監督年報によると、20年に送検されたのは2件のみだった。