7:結婚年齢はどうなるのか。

 結婚ができるようになる年齢(婚姻開始年齢)は、男性が18歳、女性は16歳と差が設けられてきた。男女間で心身の発達に差異があるためとされてきた。しかし、社会情勢の変化に合わせて、婚姻開始年齢の在り方についても社会的、経済的な成熟度を重視すべきだとの考えが生まれてきた。

 今や高校等進学率が98%超になるなど、社会的、経済的な成熟度といった観点からは男女間に特段の差を見いだせない。このため4月から女性の婚姻開始年齢を18歳に引き上げ、婚姻開始年齢の男女差も解消することになった。成人年齢と婚姻開始年齢が18歳で一致するため、未成年者の結婚は制度上なくなる。

 なお、来る4月1日の時点ですでに16歳以上の女性は引き続き、18歳未満でも結婚することができるが、この場合は従来通り父母の同意が必要だ。

8:子の養育費の支払期間も成人年齢の引き下げで変更されるのか。

 子供の養育費については「子が成年に達するまで養育費を支払う」との取り決めがなされているケースが多い。このような場合、取り決めがなされた時点の成人年齢が20歳であったなら、養育費の支払い義務は従来通り20歳まで発生すると考えられる。

 また、養育費は子供が経済的に自立することが期待できない場合に支払われるものなので、18歳に達したからといって養育費の支払期間が終了するものではない。例えば、子供が大学に進んでいる場合には、大学卒業まで支払い義務を負うことも多いと考えられる。

 今後新たに養育費に関する取り決めをする場合は、「子の大学卒業まで」「子が22歳に達した年の3月まで」など、明確な期限を定める方が好ましいといえよう。

9:成人式はどうなるのか。

 成人式の時期や在り方に関しては法律による決まりはなく、主催する各自治体の判断に委ねられる。18歳で実施しようとすると、1月は受験や就職の準備と重なることから出席者が減ることが懸念される。そのためほとんどの自治体は、法改正後も成人式は20歳のままにする方針だ。法務省が21年12月から22年1月にかけて実施した「成年年齢引下げ後の成人式の実施に関するフォローアップ調査」では、成人式の対象年齢を18歳としている自治体は2自治体。北海道別海町と三重県伊賀市であることが明らかになっている。

多くの自治体はこれまで通り成人式の対象を20歳の若者とする方針だ(写真:共同通信)
多くの自治体はこれまで通り成人式の対象を20歳の若者とする方針だ(写真:共同通信)

10:民法とあわせ少年法も改正される。18歳、19歳の扱いはどうなるのか。

 成人年齢の引き下げにあわせて少年法も改正される。18歳や19歳は「特定少年」として引き続き少年法の適用を受け保護されるものの、子供と大人の間のような位置づけで、17歳以下とは一部異なる取り扱いも設けられている。

 改正少年法は、家庭裁判所の処分決定において、原則として成人と同様の刑事手続きを取る検察官送致(逆送)をする犯罪の対象を拡大。これまでの殺人や傷害致死など故意に人を死亡させた罪に加え、新たに強盗や強制性交、放火など法定刑の下限が1年以上の懲役・禁錮にあたる罪も対象になる。少年院ではなく刑務所に収容される若者が増えることにつながる。

 報道に関する法律上のルールも変わる。特定少年のとき犯した事件で起訴(略式起訴は除く)されると、実名や顔写真などを報道することが解禁される。

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