4:1人で契約する際に注意することはあるか。

 未成年者はこれまで、親の同意を得ないで何かしらの契約をしてしまっても、民法の定める「未成年者取消権」を行使することで、後日その契約を取り消すことができた。だがこれからの18歳、19歳はこの保護の対象から外れる。契約に関して自己判断や責任が求められるようになる。

 一方で、お金に関する知識や社会経験の乏しい18歳、19歳の新成人を狙った悪徳商法などの増加による消費者被害の拡大が懸念されている。全国の消費生活センター等に寄せられる相談の傾向を見ると、若年層はエステや美容整形に関する契約トラブルが多いという。また副業や投資、ギャンブル等で高額収入が得られるなどとして、有料セミナーへの参加や商材の購入を契約させられるといった事例も増えている。

 借金やクレジットカードのリボ払いに関する相談も後を絶たない。独立行政法人・国民生活センターでは、トラブルを防ぐために「広告や勧誘をうのみにしない」「利用明細を必ず確認する」「契約の条件や仕組みを事前にしっかり把握する」といったことを呼びかけている。

 学校現場でもトラブル防止に向けた取り組みが進んでいる。学習指導要領の改訂で、22年度から高校の家庭科で金融教育の授業が始まる。株式投資や投資信託の基本的な仕組みなどを学習することになっているが、教える側の知識不足や授業時間が限られているといった問題もあり、課題を抱えたままのスタートとなる。

成人年齢の引き下げによって若者に対する金融教育の重要性が増す(写真:共同通信)
成人年齢の引き下げによって若者に対する金融教育の重要性が増す(写真:共同通信)

お酒やたばこの解禁年齢は?

5:消費者トラブルを防ぐために、企業や事業者は対策をしているか。

 主に金融トラブルを防ぐための取り組みが金融機関や業界団体で始まっている。銀行のカードローンについては、ほとんどの銀行が4月以降も「当面の間は20歳未満には提供しない」としている。

 一方、消費者金融については対応が分かれる。日本貸金業協会が貸金業者を対象に若年層の顧客に対する貸し付け方針などについてヒアリングした調査によれば、4月以降18歳、19歳の一般顧客も貸し付けの対象に含めると回答した事業者は約25%と、4社に1社が貸す方針であることが分かった。

 事業者側は「利用限度額を低く設定する」「マルチ商法にかかわっていないことを事前に確認する」といった取り組みを強化するとしている。また、法的には親権者の同意がなくても契約を締結できるが、「(契約に当たっては)親権者の同意の取得が条件」と回答する事業者も約3割あった。

 脱毛や痩身など、エステ業の業界団体でもトラブルを未然に防止しようとガイドラインを定める動きがある。日本エステティック機構を中心に複数の業界団体が協議し、成人年齢引き下げに伴う対応指針を3月にまとめた。「利用者の支払い能力を超えた契約をしない」「クーリングオフなどの解約条件を分かりやすく説明する」「学生等、定収入が見込めない場合は都度払いを利用してもらう」といった順守事項を掲げている。

6:お酒やたばこの解禁も18歳からになるのか。

 成人年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬やオートレースなどの公営ギャンブルに関する年齢制限はこれまでと変わらず20歳だ。非行防止や健康面への影響、青少年保護の観点から現状維持とされた。国民年金に加入する義務が生じる年齢も20歳以上のままとなる。