13年4カ月ぶりに全国平均で1リットル当たり170円台を付けたレギュラーガソリン。価格上昇を抑える目的で政府は補助金制度を発動した。その狙いや実効性についてどう考えればいいのか。押さえておきたい10項目をまとめた。

ガソリン価格が高騰している(1月26日、写真:共同通信)
ガソリン価格が高騰している(1月26日、写真:共同通信)

1:ガソリン価格はどのように決まる?
2:足元でガソリン価格が高騰しているのはなぜ?
3:ガソリン補助金の目的や仕組みは?
4:今回発動が決まった経緯は?
5:補助金の効果は実際に出ているの?
6:補助金制度の問題点や懸念点は?
7:補助金以外に選択肢はある?
8:海外はガソリン高にどう対応している?
9:インフレの抑制にもつながる?
10:脱炭素の潮流に逆行するのでは?

1:ガソリン価格はどのように決まる?

 ガソリン価格の構造としては、大元となる原油価格や精製コストなどからなる本体価格に、ガソリン税(本則税率+暫定税率)や石油石炭税、消費税が上乗せされている。税金部分はガソリン税が1リットル当たり53.8円(本則分28.7円+暫定分25.1円)、石油石炭税が同2.8円と決まっている。

 ガソリン価格の変動につながる本体価格部分は、最終的にはガソリンスタンド(GS)自身が決める。原油価格や為替、需要の動向に左右されるケースが多く、製油所からの距離や、近隣に競合店があるかどうかといった要素も価格決定の要因となる。地域や店舗によってガソリン価格が異なるのはこのためだ。

2:足元でガソリン価格が高騰しているのはなぜ?

 原油価格の上昇による影響が大きい。もともと主要産油国が協調減産を続ける中、新型コロナウイルス禍からの経済回復などで需要が高まっており、2021年11月上旬には7年3カ月ぶりの高値を付けていた。

 原油高に拍車をかけているのが、地政学リスクの顕在化だ。1月中旬にアラブ首長国連邦(UAE)の石油施設の周辺で爆発や火災が相次いだ際には、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場が7年3カ月ぶりの高値を付けた。ウクライナ情勢を巡る米ロ関係の緊迫で、ロシアから欧州へのエネルギー供給が滞るリスクが意識されている。

 さらに、脱炭素機運の急速な高まりで化石燃料からの投資撤退が広がり、供給能力の低下につながっている面もある。21年12月の世界石油会議で、サウジアラビア国営石油サウジアラムコのアミン・ナセルCEO(最高経営責任者)は「石油・天然ガス開発への投資を止めるべきだとの圧力で上流部門への投資は減り、供給が減っている」と述べた。

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