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 新型コロナウイルスの感染拡大の状況やその対策は、地域ごとに大きく異なる。日経ビジネスの4つの海外支局が、互いに他地域への疑問や質問を投げかけてみた。このQ&Aシリーズの第4回はアジア。

 アジア編の本編「アジアでコロナは社会不安の“増幅装置”に」はこちら

Q1:なぜタイやベトナムは新型コロナの抑え込みに成功しているのか。

A1:11月末の時点で、タイの累積感染者数は約4000人、ベトナムは1400人に満たない。欧米をはじめ日本と比べても、両国は新型コロナの抑え込みに成功しているといえる。

 その理由については諸説あるが、タイのある医療機器メーカーの幹部はこう指摘している。「タイでは地方の小さな農村に至るまで医療ボランティアが配置されており、周囲に住む人々の健康をきっちりと管理している。これが効果を発揮しているのではないか」

 現地報道でも同様の指摘がある。タイでは地域コミュニティーが機能しており、全国で100万人以上いる健康ボランティアがそれぞれのコミュニティーで活動している。彼らは住民の健康に気を配り、新型コロナに対する正確な情報を広め、さらにマスクの着用や手洗い習慣を徹底させる。問題があれば保健当局と連携する仕組みも整っている。

 両国政府が強い権限をもって新型コロナ対策を打ち出していることも背景にありそうだ。例えばベトナムではアパートの住民が感染した場合、当局が有無を言わさずアパート1棟ごと強制封鎖する。共産党一党独裁が続くベトナムならではの強権的な姿勢が、新型コロナ対策で有利に働いている可能性がある。

Q2:コロナ震源地である中国に対し、アジアの人々の国民感情に変化はあるか。