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 コロナ禍で経営が土俵際に追い込まれている筆頭格と言えば、国内エアラインだろう。

 10月27日、ANAホールディングスは2021年3月期に5100億円の最終赤字になると明かした。併せて構造改革のプランを新たに発表。簡単に言えば「国内高需要路線はANAブランドで維持」「関西・成田・中部発着の路線は、傘下のLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションが担う」。このプランで難局を乗り切るという。

コロナ禍で欠航が相次いだ国内路線。ANAはかつてない難局を乗り切れるか(写真:AFP/アフロ)

 具体的な撤退路線の検討は、今後熟慮に熟慮を重ねるようだが、2つの大方針から漏れれば、各路線にはおのずと整理・撤退のときが迫ってくる。そしてその運命のときは、前述の鉄道の廃線の判断より早い可能性がある。

 ANAの場合、コロナ禍での国内線の運休率は11月で29%。大型連休中に85%が運休していたことから考えれば全体では大幅に改善した。しかし個別具体的に見れば、週末など特定の日を除き、全便運休が続く路線が23路線ある。下の表ではANAの路線のうち、19年度の搭乗率が低かった順に15路線をピックアップした。コロナ禍を背景に、うち6路線がなお全面運休となっている。

「運休」が「路線廃止」に衣替えするとき

 こうした路線は、コロナ前から利用客が少なく、一般的に損益分岐点とされる搭乗率60%を下回る。今後、利用がさらに低迷するとみられ、収支改善はより困難を極める。現時点での「運休」がそのまま「路線廃止」に衣替えする。そう予測する専門家は多い。

 業界のみならず多くの関係者の頭によぎるのは、先行事例だろう。10年に経営破綻したJALが大ナタを振るった、あのリストラ策だ。JALは当時、国内線の事業規模を約3割縮小、実に50路線を運休した。地方空港では、静岡、神戸など8地点から撤退している。