
国連が指摘している通り、世界の食料配分は偏っている。飽食の先進国と飢餓の地域もある途上国。だがそもそも、食料は重量がかさみ、保存にも限りがあるなど、取り扱いが難しい。豊かな食環境を広げていくためには、食料の需要者と供給者をうまく結びつけたうえで、適切に行き渡らせる工夫が要る。天候から将来の食品の需要を予測したり、保存や輸送のボトルネックを解消したりする日本発の動きが広がっている。
「原料をこの地域でつくっているが、大丈夫だろうか」。東京都豊島区のサンシャイン60に入る日本気象協会。サプライチェーンが混乱するコロナ禍で、原料の仕入れを不安視する食品メーカーから頻繁に問い合わせが入っている。
日々の天気予報を流すのが日本気象協会の仕事だが、2017年度から企業向けに「商品需要予測事業」を始めた。天候の予測をもとに、ある商品がどの時期にどの程度売れるかを割り出す。短期(日単位)、中期(週単位、15週先まで)、長期(月単位、6カ月先まで)の気候データを提供したうえで、コンサルティングを手掛ける。顧客である企業はその情報を調達や商品の陳列に生かす。
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