多くの企業が毎年当たり前のように実施してきた新人研修。だがそのすべてが新人の育成や団結力に強く結びついているとは言い切れない。中には、効果があまり期待できないものも見受けられる。

コロナ禍によって、従来通りの形式での研修を受けられなかった今年の新人たち。とりわけ新人教育の目玉である集合型研修は多くの企業でオンラインでの実施に変更された。にもかかわらず現時点で、今年の新人のレベルが例年に比べ著しく低いとの事実はなかなか確認できない。このことから浮かび上がる仮説は次の2つだ。
①従来型の新人研修はオンラインで代替できる。
②もともと従来型の新人研修にたいした育成力がない。
まずは仮説①から検証する。
2020年春、集合型研修を断念する際に多くの企業の新人教育担当者が抱えていたのは「対面型に比べオンラインでは研修の効果が落ちる」という危惧だった。「受講者が緊張感を維持できない」「講師の話が細かいニュアンスまで伝わらない」「同期の絆が醸成できない」……。不安の理由は様々で、中には「対面での臨場感がないと気づきも感動も得られない」と考える人もいた。
合宿型社員研修の老舗の決断
「自分たちも最初はそう思っていた」。合宿型社員研修会社の老舗、社員教育研究所(東京・新宿)の東京企画推進部取締役部長、安田健氏はこう話す。
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