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神社仏閣などでの体験サービスを提供してきたエクスペリサス(東京・渋谷)は、コロナ禍でターゲットを国内の消費者に転換せざるを得なくなった。同社の社員はわずか10人だ。たまった名刺を見返し、旅行・宿泊業者ら社外の“事情通”をピックアップ。情報収集という形で巻き込みながら、事業を軌道に載せた。

エクスぺリサスは欧米・アジアの富裕層に、神社仏閣を借り切って非公開ゾーンを見学してもらうなど、高付加価値の体験サービスを提供してきた(写真:アフロ)

 ピンチをチャンスに変えるために必要なのは、歩みを止めず、事態を好転させるために動き続けることだ。それをいち早く実践し、業績をコロナ前より上向かせた企業の1つがエクスペリサスだ。

 同社のこれまでの顧客は欧米・アジアの富裕層の訪日観光客だった。神社仏閣を借り切って非公開ゾーンを見学してもらったり、博物館や美術館を夜間に鑑賞してもらったりする高付加価値の体験サービスを提供してきた。料金は1日当たり1人数万円から数百万円に上る。

 訪日客の拡大とともに会社は成長したが、コロナ禍で状況は一変した。3月の売上高は前年同月比で約2割まで落ち込んだ。一見、絶望的な状況に思えるが、丸山智義社長はこのときすでに「コロナ危機の先」を見据え、業績回復のシナリオを描いていた。そして、どん底にいた3月、社員を集めてそれを示した。ポイントは2つ。