シリーズ
広岡延隆の「中国ニューノーマル最前線」

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中国恒大EV工場は鉄骨野ざらしだった 現場で見た「成長」のからくり
破綻危機が世界を揺るがしている中国恒大集団を理解する上で欠かせないのが、不動産とは似つかわしくない電気自動車事業の存在だ。なぜこの奇妙な取り合わせが恒大の業容拡大に寄与してきたのか。そこには中国独特の事情がある。
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世界揺るがす中国恒大、2度の「文革」が翻弄する創業者の半生
世界経済が中国の不動産大手、中国恒大集団の破綻リスクにおびえている。鉄鋼労働者から不動産王に上り詰めた創業者、許家印会長の半生をたどり、影響を分析した。
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新疆独立勢力とつながるタリバン、それなのに友好的な中国政府
米軍の撤退によりアフガニスタンでタリバンによる支配が確立されることが決定的となった。最大の隣国である中国はタリバンに対し、友好的な姿勢を示しているが、そこには根本的な矛盾がある。中国が核心的利益と位置づける新疆ウイグル自…
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塾は非営利に強制転換、中国政府の「意見」で教育産業が大パニック
中国の教育業界が今、パニック状態に陥っている。「非営利組織に転換せよ」。政府の意見文書1つで、昨日まで普通にビジネスを営んでいた産業が突然存続の危機に立たされるという「チャイナリスク」が顕在化したからだ。
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パナソニック、「富む前に老いる」中国高齢者市場に挑む
中国江蘇省宜興市で進む「雅達・松下社区」の建設。高齢者向け市場を取り込むため、現地企業とパナソニックが手を組んで開発するスマートシティーだ。少子高齢化が急速に進む中国市場での取り組みの成否は。
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滴滴が「米国駆け込み上場」で触れた中国共産党の逆鱗
中国最大の配車サービス運営企業、滴滴出行(ディディ)のアプリがダウンロードできなくなった。6月末に果たした米ニューヨーク証券取引所上場が中国共産党の逆鱗(げきりん)に触れ、一気に締め付けが厳しくなっている。その影響は最近…
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東京五輪支持の中国がコロナ拡大よりも気にしていること
新型コロナウイルスの感染再拡大が起きつつある中、東京五輪・パラリンピックのスムーズな進行が懸念されている。だが、この問題に敏感そうに思える中国からは表立った批判は出ず、習近平国家主席も開催を支持すると断言した。
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香港紙廃刊の涙雨、党創立100年に沸く本土との残酷なコントラスト
中国共産党に批判的な香港紙、蘋果日報(アップル・デイリー)が香港当局の弾圧により発行停止に追い込まれた。香港から言論の自由が失われたことが鮮明になる中、中国本土は共産党創立100周年を前に祝賀ムードに沸いていた。
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ファーウェイ独自OSで狙う「グーグル超え」、米制裁を奇貨に
米政府の制裁によって米グーグルのサービスが利用できなくなり、苦境に陥っていた華為技術(ファーウェイ)が独自OSのスマホ対応を発表。生き残りに向けてIoT機器との連携のスムーズさを打ち出し、経済圏の拡大を狙う戦略が鮮明にな…
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中国の「三人っ子政策」がうまくいきそうもない理由
中国政府が産児制限の緩和を急ピッチで進めている。5月末には3人目の出産を容認する方針を打ち出した。だが2人目の出産を認めた後も出生率は減少傾向にある。膨大な人口をテコにした中国の成長モデルが揺らいでいる。
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ユニクロすらはまったウイグル人権問題、新疆生産建設兵団とは
ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」の男性用シャツの米国への輸出が1月、米税関によって差し止められた。新疆生産建設兵団が関わった綿を使った可能性が排除できないというのがその理由だ。新疆の中国化の要と言える新疆生産…
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EVのインテルへ、ファーウェイが上海モーターショーの主役に
4月19日に開幕した上海モーターショーの中でも注目されているのが、モーターから半導体までをセットにした華為技術(ファーウェイ)の自動運転プラットフォームを採用した電気自動車(EV)を北京汽車が発表したことだ。「いつか来る…
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H&Mは見せしめの「鶏」に、ウイグル問題で過熱する中国の愛国心
スウェーデンのへネス・アンド・マウリッツ(H&M)への不買運動が、中国国内で広がっている。欧州連合(EU)や米国、カナダは3月下旬、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族への不当な扱いが人権侵害に当たるとして、中国政府当…
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全人代中の異例株安が示す中国の不安 「国家隊」の買い支え利かず
今年、全人代開催期間中に異例の事態が起きた。株価が大幅に下がり「株式市場」という単語がネット検索できなくなったのだ。重要政治イベント中は中国政府系の機関投資家が買い支えに入るのが恒例の中国株式市場で一体何が起きているのか…
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中国の「Clubhouse」パクリサービス、誕生即終了の驚き
中国で2月18日、「Clubhorse」なるサービスが開始されたことが話題になった。日米などで爆発的に普及している音声SNS「Clubhouse」の完全コピーだ。ところが翌19日夜にはサービスが突然終了した。一体何が起き…
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Clubhouseが早くも中国で使用不能に、巻き込まれたミッキーマウス
中国本土の複数都市で2月8日夜から、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が使用できなくなった。言論統制のため国家がネット検閲体制を敷いている中国は、米グーグルやLINEなど様々な国外のネットサービスのアクセス…
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「Clubhouse」VS政府検閲、中国で使えるのか
招待制などの仕掛けが功を奏し、一気に広まりつつある「Clubhouse(クラブハウス)」。言論統制のため国家がネット検閲体制を敷いている中国は、国外の様々なネットサービスが利用できない。果たしてクラブハウスは利用できるの…
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一強中国の死角(7)富む前に老いるのか、揺れるキメラ体制
コロナ禍を経て世界で一強状態になった中国。相対的には勢いに乗っているものの、自国の経済成長率は鈍化傾向にある。これまで覆い隠されてきた構造問題に直面することは避けられない。
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一強中国の死角(6)日本は選別対象に 新5カ年計画で狙う「強国」
2021年は中国にとって14次5カ年計画が始動する節目の年。新5カ年計画の基本方針で鮮明になったのは量から質への転換という基本姿勢だ。コロナ禍の中では世界で一人勝ちとはいえ、成長率が鈍化してきているという現実を踏まえ、通…
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一強中国の死角(5)武漢封鎖1年、大規模ワクチン接種に見た光と影
武漢封鎖から1年がたった。中国はその後、新型コロナウイルスの封じ込めに注力した。国内製の新型コロナウイルスワクチンを開発し、国民を対象とした大規模な接種を始めている。上海のワクチン接種現場への取材で見えてきた、中国コロナ…