世界が息をのんで見守る不動産大手、中国恒大集団の経営危機。その実態を知るために避けて通れない重要なグループ企業がある。経営トップの許家印氏が「3~5年で世界最大のEVメーカーとなり、10年後には年産500万台を目指す」と宣言したEV事業会社、恒大新能源汽車集団だ。誰もが「実現は困難」と感じるいかにも大風呂敷な目標だが、恒大のビジネスモデルを解読すると、許氏がそう言うしかなかった「事情」が見えてくる。

恒大汽車の南通工場予定地
恒大汽車の南通工場予定地

 9月下旬、中国江蘇省南通市にある恒大新能源汽車集団の工場用地を訪れると、目の前には奇妙な光景が広がっていた。だだっ広い敷地に無数の鉄骨が立ち、野ざらしになっている。作業員も建設機械も見当たらず、周囲は静寂に包まれていた。事情を聞こうとプレハブの建物の前で呼びかけてみたが、応える人はいない。

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この記事はシリーズ「広岡延隆の「中国ニューノーマル最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。