世界に衝撃を与えた中国湖北省武漢市の封鎖から1年がたった。当初、対応が遅れたと指摘される中国政府だが、感染拡大を認めてから新型コロナウイルスの封じ込めに注力してきた。今なお世界中がコロナ禍に苦しむ中で、2020年は主要国で唯一の経済成長を達成している。この1年、中国のコロナ対策はどのように変わってきたのか。上海の大規模ワクチン接種の現場から見えてきたものとは。
1月19日午後、上海市嘉定区にある体育館に市民が順番に入っていった。ここは、上海市が用意した57のワクチン接種指定会場の1つだ。
事前予約制ということもあり、特に混乱はなく粛々とワクチン接種が進んでいく。この日、接種を受ける人は、自動車大手の上海汽車集団の社員が多かった。会社単位でまとめてワクチン接種を申請したのだという。
「多くの人が受けているし、特に不安はなかった。人口密度が高い職場で部品などにウイルスが付着していれば感染が拡大する恐れもあるので、ワクチンを受ける必要性は理解している」。接種後、万一副反応が出た際に備えて会場で30分間の待機中だった上海汽車社員は、こう語った。



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この記事はシリーズ「広岡延隆の「中国ニューノーマル最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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