メイソウ、一気に日本越え

 昨年10月に米ニューヨーク証券取引所に上場した雑貨店大手「名創優品(メイソウ)」も出店していた。メイソウは中国と日本の関係性の変化を象徴する企業の一つといえる。

 5年ほど前までは、ユニクロと無印良品、ダイソーを合わせたようなロゴや店構え、少しおかしな日本語で説明が書かれた商品など、「日本ブランド」をかたったかのような店舗として、日本のニュースで面白おかしく取り上げられた。いまだにそのイメージが残っている読者も多いだろう。だが今や世界80超の国・地域で4200店以上を展開し、時価総額で87億ドル(約9000億円)の大企業となった。あっという間に日本勢を抜き去ってしまった。

 今では中国のどの地方都市のショッピングモールにもメイソウが入っている。店内にはミッキーマウスやポケモンとのコラボ製品なども置いてあり、すっかりおしゃれな雑貨店だ。店員は大量に並んでいた25元(約400円)のチークが「若い女性にすごく売れている」と教えてくれた。一方、上海市在住の30代女性は「安すぎて少し不安」と述べ、ヒットには地域性もあるようだ。経済発展が続く地方都市の成長を取り込むことが、中国におけるヒット商品の条件になりつつあることは間違いない。

25元のチークなど手ごろな化粧品が売れ筋商品
25元のチークなど手ごろな化粧品が売れ筋商品

 中国ネットメディアの聚富財経によれば、創業者の葉国富氏は湖北省の貧しい家庭に生まれた。専門学校に通い金物店の販売員として働いた後、福建省で起業したが失敗し借金を抱える羽目になった。04年に女性向けアクセサリーなどを扱うショップを開店し、人気を得た。この中で日本人デザイナーの三宅順也氏と出会い、メイソウを立ち上げたという。

 日本人が「世界の工場」「安かろう悪かろう」といった中国に対するイメージに今もとらわれている間に、中国は膨張する国内消費をテコに世界に通用するブランドを着々と育てている。

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