「全力で感染を断ち、首都(北京)を守る堀を築け」

 1月9日午前1時。天津市トップの李鴻忠・市共産党委員会書記は市幹部を緊急招集して、檄を飛ばした。前8日に天津市津南区に勤める女性と小学生女児がオミクロン型の新型コロナウイルスに感染していることが判明したためだ。オミクロン型は感染力が高く世界各地で爆発的に感染者数を増やしているが、同型による中国国内での集団発生事例は初めてだ。

 天津市と北京市は高速鉄道で30分ほどの距離にあり、出勤などで日常的に往来している人も少なくない。2月4日の北京冬季五輪開幕を前に、緊張感が高まっている。

オミクロン型の感染者発生を受けて天津市は全市民を対象として一斉検査を実施した(新華社/アフロ)
オミクロン型の感染者発生を受けて天津市は全市民を対象として一斉検査を実施した(新華社/アフロ)

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この記事はシリーズ「広岡延隆の「中国ニューノーマル最前線」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。