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「もしトランプ氏が再選したら」──。マーケットの専門家は大統領選後の値動きをどのように見るのか。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストと、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストに「もしトラ」後のマーケット動向の「読み」を聞いた。

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 4年前の前回米大統領選では、民主党のヒラリー・クリントン候補優勢の事前予想を覆して共和党のドナルド・トランプ候補が大逆転で勝利をおさめ、取引時間中だった日経平均株価は一時前日比1000円を超える下落を記録し、終値は5%(919円)安と波乱に満ちた相場となった。

4年前の大統領選ではトランプ氏の優勢が伝わると東京市場は大幅安となった(写真:ロイター/アフロ)

 今回、「もしトラ」となった場合、マーケットはどのように動くのか。大和証券のチーフグローバルストラテジストの壁谷洋和氏は「市場はバイデン当選を見込んでいるが、4年前のトラウマがあるため慎重さもある」と見る。

壁谷洋和(かべや・ひろかず)氏
大和証券チーフグローバルストラテジスト

1995年大和総研に入社。 投資調査部配属後、一貫して株式市場調査に携わる。 株式デリバティブのクオンツ分析、日本株需給分析の各担当を経て、2008~12年に大和証券NY駐在。14年から現職(写真は的野弘路、以下同)

 トランプが再選を果たす場合については「現政権が維持されるという点ではプラス。法人減税策が継続されるため企業収益の悪化リスクが軽減し、好意的に見るだろう」と予測する。

 前回の大統領選では政治家としての経験がなかったトランプ氏が当選し、政治家としての手腕や政策実行能力を疑問視する投資家が失望売りに動いた。「マーケットは『ご都合主義』だ。トランプ大統領は決して品はよくなかったが、強いリーダーシップを持ち、法人減税などの公約を実行した」(壁谷氏)。

 「法人減税に加えて、連邦準備理事会(FRB)に3回の利下げを2019年に踏み切らせたことが、トランプ政権下での株⾼を呼んだ」と分析するのは、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストだ。

市川 雅浩(いちかわ・まさひろ)氏
三井住友DSアセットマネジメント シニアストラテジスト

旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。