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コロナ禍を前提とする「新卒採用ニューノーマル」の姿を探る本連載。企業が相次いで「ジョブ型」の人材管理にかじを切る様子を大学3年生は不安視している。企業の新卒採用意欲が減退し、就職活動を控えた学生が変化を迫られている様子を紹介した初回、採用の「近道」だったインターンシップの変化をまとめた第2回「日立はインターンもオンラインで、新型コロナが生んだ新潮流」に続く今回は、いわゆる「ジョブ型」への転換が新卒採用にもたらす変化を見ていこう。

KDDIは2020年卒の採用からジョブ型を一部導入している(写真:アフロ)

 「(新卒にも)ジョブ型を導入する企業が雪崩を打って増えるかもしれない」

 こう話すのはある大学3年の女子学生。日立製作所や富士通、資生堂──。学生にも人気がある大企業が相次いで「ジョブ型」雇用の導入を決めたことを「予想もしていなかった」と語るこの学生は、企業が学生に求める人材像が急激に変わる可能性を不安視する。

 ジョブ型とは「ジョブディスクリプション(職務記述書)」に基づき、あらかじめ仕事の内容や報酬などを明確にしたうえで会社と個人が契約する雇用形態。欧米をはじめ日本以外では一般的とされる。日本はこれまで、仕事の内容や勤務先などを明確に定めない状態で正社員として働く「メンバーシップ型」が主流で、新卒採用もそれを前提に進めていた。

 「このままではグローバル化や急速な技術革新に対応するための人材を引き寄せられない」。そんな危機感からジョブ型への移行を検討してきた日本企業は少なくないが、テレワークの浸透などで仕事の概念が大きく変わったコロナ禍を機に、ジョブ型の導入機運が高まっている。

 ジョブ型はまず管理職など一部の社員に導入し、その後で社員全員に広げるのが一般的。現時点でジョブ型を前提とした新卒採用を実施する企業はごくわずかだ。それでも、学生からは「文系だし、サークルの活動ばかりに力を入れてきた。これといった専門分野なんて持っていない」(早稲田大学3年の男子学生)と警戒する声が上がる。

若手のつなぎ留め狙いジョブ型採用

 では実際、ジョブ型を新卒採用に取り入れるとなるとどうなっていくのか。一足早くジョブ型採用を始めたKDDIの様子を見てみよう。