新型コロナウイルスの影響で消費の風景は激変している。だが、異例の市場環境でも、カテゴリー全体が不調でも、販売を伸ばした商品があった。「世の中になく、消費者が求めているもの」を考え続けた商品は、コロナ禍でも強かった。

 緊急事態宣言直後の4月11日に花王が敏感肌用ブランド「キュレル」から発売した「ディープモイスチャースプレー」。8月までの累計売り上げは計画比1.8倍となった。

花王が4月に発売したキュレルのスプレー。60グラムは店頭価格990円前後(写真:スタジオキャスパー)
花王が4月に発売したキュレルのスプレー。60グラムは店頭価格990円前後(写真:スタジオキャスパー)

 キュレルは1999年に始まった乾燥性敏感肌用ブランド。花王によると、敏感肌用製品の市場は2019年まで17年連続で伸長している。キュレルは成長市場を捉え、クリームや洗顔料など約70種類のスキンケアやメーク用品を展開してきた。だが、ずっと商品化できなかったのがスプレー型だった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1905文字 / 全文2247文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「ヒットの新法則」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。