新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務によるテレワークが当たり前になり、様々な局面で接触を減らす努力がなされるようになった。変化を余儀なくされる中で浮かび上がってきたのは、デジタルを使いこなせていない日本の姿だ。特別定額給付金を巡る混乱や押印のための出勤など、デジタル化を真剣に進めていれば、容易に解決できた問題も多い。海外ではデジタル化を感染拡大防止や経済回復に効果的に利用できている例もある。この機にデジタル化に取り組まなければ、日本の国力は落ちる一方だ。
シリーズ
デジタル後進国ニッポン

9回
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台湾に学ぶデジタル化、市民とともにつくる社会
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策やそれに伴う経済・社会の混乱収拾に各国が苦慮する中、ITを駆使した防疫管理体制が功を奏しているのが台湾だ。世界で最初に感染爆発が起きた中国と地理的に近いにもかかわらず、これまでの感染者…
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台湾IT担当大臣のオードリー・タン氏「デジタルは自由のために」
日本に隣接する台湾はデジタル技術を効果的に活用し、新型コロナの感染拡大を抑え込んでいる。台湾のデジタル化を進めてきたのが、IT担当大臣のオードリー・タン氏である。タン氏は中学を中退し15歳で起業。米アップルの顧問も務め、…
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おざなりデジタル改革20年、「後進国ニッポン」4つの元凶
「進んでいるようで進んでいなかった。これが日本のIT政策の実態だろう」。安倍内閣の内閣府副大臣としてデジタル行政を進める上での規制改革を担当してきた大塚拓氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で起こった混乱の要因に、これまで…
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コロナで業務集中の保健所、船橋市が乗り越えた行政の壁
多くの保健所がアナログな作業を脱しきれない中、いち早くデジタル化を進めたところがある。千葉県船橋市の保健所だ。デジタル化までの期間はなんと2週間という短さだ。なぜ船橋市の保健所は短期間でデジタル化できたのか。逆にほかの保…
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楠正憲氏「システムのオープン化とバブル崩壊の重複が日本の不幸」
デジタル化の遅れが指摘される日本の企業や行政。20年近く取り組んできた課題のはずが、なぜ思うように進んでいないのか。Japan Digital Designの楠正憲CTOは、「IT担当より強い現場」や「バブル崩壊以降の採…
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メルカリ山田社長「社会全体にエンジニア的な視点が必要」
コロナ禍で変化を余儀なくされる中で浮かび上がってきたのは、デジタルを使いこなせていない日本の姿だ。押印のための出勤など、デジタル化を真剣に進めていれば、容易に解決できた問題も多い。日本を代表するIT企業に成長したメルカリ…
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コロナで遅延危機、リモートで決算乗り切ったセゾン情報システムズ
2020年春はコロナ禍により、企業の決算発表が予定より遅れたケースが相次いだ。そんな中、セゾン情報システムズは「リモート決算」を実現して乗り切った。米企業のサービスを導入し、マニュアルで行っていた数字の照合と進捗管理をデ…
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加速する三井物産の印鑑レス、それでも残る「岩盤」
今年6月に東京・大手町の新本社を本格移動させた三井物産が「印鑑レス」を加速させている。新型コロナ禍で一気に進んだものの、監督官庁への届け出や登記申請など「行政」が壁になっている。
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花王が挑む「FAX一掃作戦」、コロナ特需で電子化は逆行
毎朝1000通を超えるFAXを手入力──。花王の業務用製品を受注する部門では取引先は中小事業者が中心で、FAX受注が多勢を占める。非効率性の改善に向け、2017年に「脱FAX」を宣言して取引先5000社に電子化移行を促す…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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