三菱商事は12月17日、電力部門のトップを務める中西勝也常務執行役員が2022年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。垣内威彦社長は、会長に就く。

 同社の慣例通り、就任6年での社長交代となる。垣内社長の最終年度となる22年3月期は過去最高の最終利益7400億円を見込み、「有終の美」を飾るかのように見える。しかし実際は、21年3月期は伊藤忠商事に商社トップの地位を明け渡し、22年3月期も利益予想は伊藤忠を下回る。18年に掲げた「22年3月期に最終利益9000億円」とはかけ離れた結果となりそうだ。

2022年4月に社長に就任する中西勝也常務執行役員(左)。垣内威彦社長は会長に就く
2022年4月に社長に就任する中西勝也常務執行役員(左)。垣内威彦社長は会長に就く

 「技術発展や地政学リスクで世の中は刻一刻と変化している。時代についていくことが本当にしんどかった」

 同日開いた記者会見で、垣内社長はこう振り返った。

 垣内時代の6年間は、浮沈が激しかった。16年4月の就任前の16年3月期、リーマン・ショックから世界景気の回復をけん引した中国経済の失速に伴い、資源価格が大きく下落した。三菱商事は主力事業であるチリの銅事業やオーストラリアの鉄鉱石事業で減損を計上し、1493億円の最終赤字に転落。創立以来、初の赤字だった。

 翌年以降、V字回復を見せる。主力の原料炭など資源エネルギーがけん引し、17年3月期に最終利益4402億円、18年3月期に5601億円と大きく伸ばした。勢いに乗った18年11月に発表した「中期経営戦略2021」では、「22年3月期に最終利益9000億円」を掲げた。

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