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 東京・麻布十番にある三井物産食料本部開発センター。センター長の伊藤尚洋(45歳)の前に、パティシエやパン職人が作った食パンやクロワッサン、チーズケーキが並んだ。

三井物産食料本部開発センター長を務める伊藤尚洋

 実は、このパンやスイーツには、三井物産の取引先であるハナマルキの主力商品「液体塩こうじ」が使われている。肉や魚の下味や、煮物やいため物の味付けなどに使う調味料として、スーパーなど小売店で人気だ。

 きっかけは、ハナマルキの社長から「主力商品の液体塩こうじの売り上げを今後どう伸ばしていけるか」と相談を受けたことだった。

 開発センターのメンバーは試作を重ね、こうじに含まれる酵素が素材のうまみを引き出し、パンやお菓子にも活用できることを見いだした。伊藤は食パンやチーズケーキを試食して、「乳味が引き立てられている」「チーズの味が濃厚になった」と液体塩こうじの効果を確認した。一般消費者向けだけでなく、食品メーカーなど業務向けとして売り出せる手応えを得た。