二酸化炭素(CO2)を資源として捉え、原料として再利用する取り組みが大手化学メーカーの間で加速している。地球温暖化の元凶であるCO2を資源化できれば、排出削減に匹敵する効果が期待できる。菅義偉首相が「2050年カーボンニュートラル宣言」を打ち出し、米国のバイデン次期大統領がパリ協定を推進した重鎮のジョン・ケリー元国務長官を気候変動問題の大統領特使に任命するなど、国内外で脱炭素社会への道筋がつきつつある中、長らく石油をはじめ化石燃料をベースにしてきた化学業界にも本格的な変化が訪れようとしている。

旭化成のCO2資源化の技術では、ヘッドライトカバーも車載用電池の原料も生産できる(写真:PIXTA)

 三菱ケミカルは2021年度、排ガスからCO2を効率良く回収できる高機能性膜の実証実験をスタートする。浄水器や排水処理向けの中空糸膜の技術を応用したもので、回収したCO2には水素を加えて、様々な化学品の原料となるメタンを合成する。アンモニア化合物の「アミン」に吸着させてCO2を回収する従来の仕組みに比べて、施設は小規模で済み、コスト削減にもつながるという。

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