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コロナ禍により、マッチングアプリは気軽に相手を探せる手段としてさらに広がりを見せつつある。国内最大規模の会員数を誇る「ペアーズ」を運営するエウレカ(東京・港)の石橋準也CEO(最高経営責任者)に、マッチングアプリの未来について聞いた。

かつては「出会い系」のような怪しいイメージがあったネット上での出会いが、マッチングアプリを通じて世の中に認められるようになった理由は何でしょうか。

石橋準也CEO(以下、石橋氏):日本より先に流行していた米国でも最初、マッチングアプリはネガティブに捉えられていた。ただ、アプリを運営する側としてうれしい、楽しいと思うのは、恋人が見つかった利用者が生まれた瞬間だ。この熱量はいわゆる「出会い系」とは全然違う。

 ただ熱量の高いメンバーがいたとはいえ、当初は必ずしも強い運営体制ではなかった。いまは起きないが、例えばピークの時間帯にアクセスができなかったり、押した「いいね!」が反映されなかったりするなど、システムに脆弱なところもあった。

 最終的に、どれくらいの人が出会い、恋人になるかを重要視しているが、アプリが安全であることが欠かせない。その環境が整ったことがまずある。マッチングアプリは広告出稿によって伸びるサービスに思われがちだが、どの国でもマッチングアプリの利用を左右するのは口コミだ。エウレカでもブランドを打ち出す際、実際のユーザーに「ペアーズで出会った」と顔出しをしてもらった。安全なアプリという環境を作りながら、口コミでの評価を加速度的に増やすことに成功したことが要因ではないか。

今後、マッチングアプリの市場の拡大のために、どういった施策を考えていますか。

石橋氏:1人当たりの売上高を伸ばす、安全への投資、アルゴリズムの改善などやりたいことは多くあるが、ペアーズならではの価値を追求していきたい。履歴書にはない情報をどう広げるかに注力していく。職場や友達関係からの恋愛で、最初からスペックだけで相手を選ぶ人はいないのではないか。リアルでの恋愛にどこまで近づけることができるかを昔から考えてきた。マッチングアプリでも、肩肘を張らずに自然にアプローチできるようにしたい。

 また、現状では25~35歳がコアユーザーで、40歳以上や50歳以上の世代が普通に使うにはまだ壁がある。海外だと50歳以上向けのアプリがある。僕らがどのタイミングでやるのか、考えていかないと、とは思っている。