「アプリで出会って結婚したんですよ」。会社の同僚や部下からそんな報告を受けて、驚いてしまう人も少なくないのではないか。今やスマートフォンのアプリやネットを通じた男女の出会いは「主流」の1つ。サッカー観戦が好き、休日はインドアで過ごすのが好み、そして将来は結婚したい──。合う前に趣味や価値観、結婚の意思の有無をすり合わせられるアプリは、効率の良い出会いに欠かせないツールになっている。

(写真:Shutterstock)
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリアルな場での出会いが限られる中、ビデオツールを使ってオンラインでデートできるサービスもあるなど進化を続けるマッチングアプリ。好きなユーチューバーの動画を見たり、ビデオを通して一緒に料理を作ったりと、アプリ上での楽しみ方を工夫するカップルも多い。

相談所やパーティーを上回る

 「婚活実態調査2019」(リクルートブライダル総研調べ)によれば、結婚の意向のある独身者のうち16.5%がインターネットを使った婚活サービスを利用したことがあるという。これは結婚相談所(同5.5%)や婚活パーティー(同9.2%)を上回る。

 「Omiai」といった婚活向けアプリに加え、若年層を中心に恋活の場でも「Pairs(ペアーズ )」や「タップル」といったマッチングアプリの活用が増えている。ペアーズ の利用者は累計1000万人を突破。日本ではおよそ14人に1人はアプリを使って結婚しているとの調査もある。

 ネット上の出会いサービスというと、見知らぬ男女が出会う怪しいイメージを抱く人も少なくないはず。だが、昨今ではAI(人工知能)などを使って悪意あるユーザーを取り除き、最新の画像認識を使ってなりすましを防ぐ技術も発達した。

 サイバーエージェントの調べでは、マッチングアプリは2025年に1000億円市場になる見通し。IT(情報技術)やネット関連企業にとって無視できない成長市場だ。コロナ禍により在宅勤務が当たり前の光景となったが、出会いの世界はそれよりも一足先にリモート化が進み、サービス各社が利便性や生産性を競い合っている。非婚化・少子化という日本の大きな課題の解決にもつながる「出会いテック」。その最前線を追う。

連載ラインアップ(予定)
・週末だけで3人とデート 婚活・恋活もDXで生産性向上(8月5日公開予定)
・コロナ禍で会わずともカレカノに 婚活今昔物語
・亜種も出現、出会いテック進化論
・AIに顔認証、セキュリティー 裏で支えるエンジニア集団
・利用者1000万人突破 ペアーズ社長が語る出会いテックの未来

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