トヨタ自動車の部品調達、自動車生産は新型コロナウイルスの感染拡大でどれだけダメージを受けたのか。国内について言えば、部品調達が理由の減産規模は1万台で、2011年に東日本大震災で部品が不足して国内工場を止めた影響76万台に比べると76分の1に減った格好になる。減産を最小限に抑えられたのは、供給リスクが高い品目を1つずつ減らすサプライチェーン改革を徹底してきたからだ。

トヨタが目指す究極のサプライチェーンの姿は部品や部材の「欠品ゼロ」だ。中国で新型コロナの感染が爆発的に広がった2月、トヨタは調達対策会議を毎日開いた。中国全土で不足しそうな部品はどれか、代替調達や生産の手配をどうするか。急ピッチの対応でめどをつけ、結果として国内の工場は稼働を続けることができた。
「(新型コロナの感染が)中国一極だった時点では、なんとか代替生産を含めて欠品なく乗り越えられた」。5月、白柳正義調達本部長(当時)はこう振り返った。
迅速な初動につながったのが、トヨタが構築したサプライチェーンの情報システム「レスキュー」の活用だった。国内工場で生産する自動車のための部品・部材の品目、仕入れ先の情報を海外を含めて管理。災害が発生したとき、ツリーの形をした図によって影響のある品目を一目で判別できる。
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