全4260文字

新型コロナウイルスの猛威は、日本が抱える様々な課題や欠陥を明らかにしました。世界の秩序が変わろうとする中、どうすれば日本を再興の道へと導けるのか。シリーズ「再興ニッポン」では、企業トップや識者による意見・提言を発信しています。今回は、今年1月に国内の大手化粧品メーカーで初の女性トップに就いたポーラの及川美紀社長です。「総マスク時代」にどう活路を見いだしているのでしょうか。

及川美紀(おいかわ・みき)氏
宮城県石巻市生まれ。1991年東京女子大学卒業後、ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社。商品企画部長を経て 2012年に執行役員、14年取締役に就任。20年1月より現職(写真:稲垣純也、以下同)

インバウンド需要にブレーキがかかる中で今年1月に社長就任し、直後にいきなり新型コロナウイルスによる厄災に見舞われました。

及川美紀ポーラ社長(以下、及川氏):3~5月は店舗をクローズして電話注文を受けて商品を発送してきましたが、6月からようやく顧客情報を基に対面販売ができるようになり、今はどん底からは抜け出したという段階です。

マスクをすれば鼻から下が隠れ、リモートワークが続けばメークの機会も減ります。販売戦略をどう考えていますか。

及川氏:確かにマスクの装着が浸透し、外出の機会が減っているので「口紅もファンデーションも不要」という意識の広がりもあるでしょう。ただその一方で、オンライン会議ではディスプレーに映る自分の顔を目にする機会が増え、下がった口角や目の下のシワなどを直視する数カ月でもありました。人からの見え方はもちろんですが、こうありたいという自分自身の「理想」を認識した人も多かったはず。そこに新しい「進化の欲求」が生まれていると、私は見ています。