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サンリオピューロランドは慢性的な経営不振を経て、近年大きく成長してきた。2019年3月期の売り上げは14年3月期比で7割増え、入場者数は8割増加。20年3月期もこの勢いが続くと思われていた。だが、今年に入りコロナ禍が直撃。2月22日から約5カ月間休館し、再開後も入場制限をするなど、苦しい状況が続いている。エンタメ業界は今後どうあるべきか。ピューロランド成長の立役者であり、サンリオエンターテイメント社長の小巻亜矢氏に聞いた

小巻亜矢(こまき・あや)氏
サンリオエンターテイメント社長。新卒でサンリオ入社後、結婚を機に退職。37歳で仕事復帰し、2013年に東京大学大学院修士課程修了。14年にサンリオエンターテイメント顧問に就任。16年には、サンリオエンターテイメントが運営する「サンリオピューロランド」館長に就任し、19年より現職。組織変革やターゲット層の見直しで、経営不振に陥っていたピューロランドを回復させた。(写真:的野弘路、以下同)

サンリオエンターテイメントは新型コロナの感染拡大を受け、サンリオピューロランドを2月22日から臨時休業しました。同業他社に先駆けての休館でしたが、なぜ早いタイミングで決断できたのでしょうか。

小巻亜矢サンリオエンターテイメント社長(以下、小巻氏):正直に言いますと、ものすごい葛藤がありました。

 休館を意識し始めたのは2月半ばです。ダイヤモンド・プリンセス号や、東京マラソンの一般参加見合わせのニュースを見て、「ただごとではない」と思いました。対応が少しでも遅れて、館内でクラスターが発生したり、従業員に感染者が出たりすれば大変です。そう考えると、国や自治体の要請を待たずに休業すべきだと思いました。

 でもいつから休館するかは最後まで悩みました。当初は2月22日~24日の3連休を終えてから休館しようと考えていたのです。連休に向けて様々なイベントを用意していましたし、営業施策も打っていました。2~3月は本来はピークシーズンではないのですが、(3月期決算に向けて)最後にもうひと山持ってこようと頑張っているところでした。試験が終わった若者向けのイベントを考え、内容も作り込んでいました。ぜひお客さんに見てもらいたかったし、こちらとしても3連休の売り上げは喉から手が出るほど欲しかった。でも、混雑すると分かっていながら開けていいのか。その葛藤がありました。

臨時休業の最終的な決め手は。