新型コロナウイルスの猛威は、日本が抱える様々な課題や欠陥を明らかにしました。世界の秩序が変わろうとする中、どうすれば日本を再興の道へと導けるのか。シリーズ「再興ニッポン」では、企業トップや識者による意見・提言を発信しています。今回は、オムロンの山田義仁社長CEO(最高経営責任者)です。グローバルで事業を展開する製造業は、新型コロナで供給網の寸断や需要の消失などの危機に見舞われました。そうした中、49歳の若さで社長に就任して10年目を迎えた山田社長はオムロンをどう導こうとしているのか。そして、日本が強く立ち上がるための方策と経営者としての信念を聞きました。

山田義仁(やまだ・よしひと)氏
オムロン社長CEO(最高経営責任者)。1961年大阪府生まれ。84年同志社大学経済学部卒業後、立石電機(現オムロン)入社。一貫してヘルスケア事業畑を歩む。2003年オムロンヘルスケアヨーロッパ社長、08年オムロンヘルスケア社長・オムロン執行役員に。10年オムロングループ戦略室長を経て、11年6月に49歳の若さで社長に就任。学生時代はハンドボールで体を鍛えた。58歳。(写真:山本 尚侍)

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。影響をどう見ていますか。

 世界経済へのダメージが非常に大きく、オムロンも必死で変化に対応しているところです。2020年4~6月期は減収ながら増益を達成できたのですが、足元でコロナの深刻度は増しています。非常に厳しい状況を想定して経営しなければいけない。淘汰のステージに入っており、そこで生き残らなければならないという覚悟で臨んでいます。

ファクトリーオートメーション(FA)機器など主力事業への影響は。

 最終製品の需要があらゆる産業で縮減しています。工場の稼働率が低下し、工場の能力を増強するための設備投資の延期や縮小が起こっています。その一方で、チャンスととらえて投資を前倒しする動きもあります。

 業界で見ると半導体や5G関連の投資意欲は旺盛です。クルマは全体的には慎重ですが、EV(電気自動車)やADAS(先進運転支援システム)、電池関連の投資は衰えていません。

地域ごとの差はありますか。

 4~6月期に売り上げが伸びたのは中国と韓国です。中国では電池やEV、スマホ部品の設備投資を取り込みました。韓国は半導体関連の投資です。

中韓勢が最先端技術の投資を急いでいると、日本など他の地域と技術面での差が広がりそうです。

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