全6051文字

新型コロナウイルスの猛威は、日本が抱える様々な課題や欠陥を明らかにしました。世界の秩序が変わろうとする中、どうすれば日本を再興の道へと導けるのか。シリーズ「再興ニッポン」では、企業トップや識者による意見・提言を発信していきます。今回は、企業の経営変革や組織変革、ダイバーシティー推進などを手がけるチェンジウェーブ(東京・港)の佐々木裕子社長です。佐々木氏は「コロナ禍では無意識のバイアスが出やすくなる」と話します。

佐々木裕子(ささき・ひろこ)氏
東京大学法学部卒、日本銀行を経て、マッキンゼーアンドカンパニー入社。シカゴオフィス勤務の後、同社アソシエイトパートナー。8年強の間、金融、小売り、通信、公的機関など数多くの企業の経営変革プロジェクトに従事。2009年チェンジウェーブを創立。変革実現の支援や変革リーダー育成など、個人や組織、社会の変革を手がける(写真:竹井 俊晴、以下同)

新型コロナが社会に与えた影響をどう見ていますか。

佐々木裕子チェンジウェーブ社長(以下、佐々木氏):私は企業や組織の変革に携わっているのですが、企業側の前提が変わり始めています。以前は事業の成長性や効率性を求めることが大前提にありましたが、これだけ不確実性が増した今、どうやってサステナブルに事業を継続できるかに焦点が移っているようです。中長期のビジョンももちろん大事ではあるのですが、見通しきれない。戦略をカチッと決めきることの重要性が薄れているように感じます。どれだけ柔軟にアジャイルにできるかが、経営側には必要になってくるのではないでしょうか。

 一方、個人にも変化があります。私の周りでバリバリ仕事をしている起業家さんたちから、「こんなに家族のことを考える時間が増えたのは初めてだ」という話を聞くようになりました。今までは仕事や社会貢献が最初にあり、そこに生活をどうプラスしていくかという世界でした。でも今はまず生活があってそこに仕事をどう入れ込むかというスタイルに逆転し始めている気がします。

在宅勤務が浸透すると仕事とプライベートの境目がなくなる感覚がありますよね。