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 新型コロナウイルスの猛威は、日本が抱える様々な課題や欠陥を明らかにしました。世界の秩序が変わろうとする中、どうすれば日本を再興の道へと導けるのか。シリーズ「再興ニッポン」では、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長ら、企業トップや識者による意見・提言を発信していきます。

 第2回はヤフーを傘下に持つZホールディングスの川邊健太郎社長。ヤフーは7月15日、副業人材100人強と業務委託契約を結ぶ意向を表明しました。新型コロナをきっかけに在宅勤務が広がる中、同社は新しい働き方を打ち出しています。コロナ禍を受けたニューノーマルでの働き方について川邊社長に聞きました。

川邊 健太郎(かわべ・けんたろう)
1974年生まれ、東京都出身。95年、青山大学在学中に電脳隊を設立、99年代表に。同年12月にピー・アイ・エム設立。2000年にヤフーとの合併に伴いヤフー入社。「Yahoo!モバイル」担当プロデューサー や「Yahoo!ニュース」責任者を経て09年にGyaO(現GYAO)社長に。12年ヤフーCOO(最高執行責任者)執行役員兼メディアサービスカンパニー長。18年に社長執行役員CEO(最高経営責任者)就任。19年に持ち株会社制に移行し、社名をZホールディングスに変更した

リモートワークの恒久化や副業社員100人の採用など、ニューノーマルでの働き方を次々に発表しています。

川邊健太郎ヤフー社長(以下、川邊氏):新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の広がりは、私たちに新たな気付きを与えてくれました。通勤がなくなり、家族と過ごす時間が増えたことでQOL(クオリティーオブライフ)、いわゆる生活の質が上がった人は多いのではないでしょうか。

 私自身、小さな子供が2人います。昨年は(ZOZOの買収やLINEとの統合に向けた発表など)会社として激しくいろいろ動いたために、仕事ばかりの日々でした。それが図らずもコロナによって子供や家族との向き合えるようになりました。これまではなかった散歩の時間をつくるなど、確実にQOLが上がっています。

 ヤフーは2014年4月から「どこでもオフィス」制度を導入していました。出社せず、働く場所は自宅でもどこでもいいという制度です。当初は月に2回利用でき、17年7月からは月に5回へと増やしました。今年はもともと東京オリンピックが開催される予定だったこともあり、期間中に1週間続けてどこでもオフィス制度を利用できるよう整えていました。

 学校の一斉休校が始まった2月から段階的にどこでもオフィスを従業員にフル開放しました。一部のセキュリティー部門以外は出社しなくてもいい。会議や採用活動、研修などをオンラインで実施したことで、95%の従業員が事実上在宅勤務となりました。

どこでもオフィス制度の利用率はコロナ前でも高かったのでしょうか。