「耐え難い」損害は難しくても「受け入れ難い」損害を与えられれば

「報復」としての抑止力にはどのような装備が考えられますか。

小泉:日本版LRHWだけでなく、長距離巡航ミサイルのようなものが想定できるでしょう。例えば経済の中心地や工業地帯など、いわゆる高価値目標(HVU)を標的にすることが考えられます。

 前回に触れた米ロ間のMAD(相互確証破壊)は、互いに「耐え難い」損害を与えることで均衡を保ちました。つまり、敵国が近代国家として立ち行かなくなるようなレベルの壊滅的損害ということです。日本に「耐え難い」損害を与える力はありませんし、それはつまり核保有ということなので望ましくもないと思います。

 他方、「受け入れ難い」損害を与える能力は考慮に入るかもしれません。国家が崩壊するわけではないけれども、政治的には避けたい規模の損害です。こちらなら、日本や韓国、台湾など核兵器を保有しない国・地域でも実現することができます。

 ただし、報復目的の攻撃力の整備には課題があります。

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