
3期目に入る中国・習近平(シー・ジンピン)政権のトップ人事が決まった。李克強(リー・クォーチャン)氏をはじめとする共産主義青年団(共青団)系の有力者はすべて排除され、「習天下」とも呼べる環境になった。習近平氏は「強さ」と「安全」にこだわる。今後も米国に並ぶ「強い」存在となることを目指す。台湾武力統一は「常識」で考えれば起こりづらい。しかし、米中それぞれの言動が他方を刺激する悪循環はエスカレートする一方だ。中国政治に詳しい興梠一郎・神田外語大学教授に聞いた。
(聞き手:森 永輔)
3期目の習近平政権のトップ人事が10月23日に決定。中国共産党中央委員会政治局常務委員7人のすべてを、習近平総書記および同総書記と関係の濃い人物が占める形になりました。同時に、年齢制限に関する「七上八下」の慣例*を破ったことが注目されています。
興梠一郎・神田外語大学教授(以下、興梠氏):今回、69歳の習近平氏が留任する一方で、67歳の李克強氏が引退することが決まりました。しかし、年齢制限の慣習は過去に幾つも例外があるので、大きな話ではありません。

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