ミサイル阻止のため「盾」の位置を変える

提言のもう1つの柱として、「相手の領域内でも攻撃を阻止する能力」について検討することを求めています。こちらは具体的にどのような装備をお考えですか。北朝鮮がミサイルの運搬と発射に使用する発射台付き車両(TEL、Transporter-Erector-Launcher)を探知して破壊する案から、敵の滑走路や弾薬庫などの固定施設に反撃を加えるという案まで、さまざまな方法が取り沙汰されています。

小野寺:日本が「盾(日本の防衛)」、米国が「矛(相手国への反撃)」という日米同盟の役割分担を変える考えはありません。従来と異なるのは「どこ」に盾を置いて守るかです。これまでの攻撃は、軍艦や爆撃機によるもの。よって対艦ミサイルや対空ミサイルを備え、来たものを食い止めればよかった。

 しかし、いま我々が直面する脅威はミサイルです。来たものを食い止めるのは容易ではありません。現在は、飛来するミサイルをそのミッドコース*で迎撃するイージスと、着弾直前のターミナルフェーズで迎撃するPAC3で、2段構えを取っています。

*:弾道ミサイルが飛行する放物線状の軌道の頂点に近い部分

 迎撃がより容易かつ確実なのは発射直後のブースト段階です。まだスピードが乗っていません。さらに確実なのは発射される前の段階です。ミサイルは止まっているのですから。盾の位置をここに、つまり相手の領空・領域に移動して守る、というのが提言の趣旨です。相手の攻撃能力が変われば、盾の位置も変える必要が生じます。

米国から高額装備を購入する必要はない

 具体的な装備のあり様については、

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