日本のみならず米本土も、ロシアが開発する極超音速滑空体の射程に入るということですね。

能勢:ええ、米ワシントンを飛び越えてしまうほどの射程です。サルマートは総重量208トンのうち178トンが燃料という代物ですから。しかも、アヴァンガルドは核弾頭を搭載するのが前提になっています。米国にとって非常に恐ろしい存在と言えるでしょう。

ウクライナに人々の目がくぎ付けになっている中、ロシアは3月にキンジャールを発射し、世界で初めて極超音速兵器を実戦に投入。4月20にはアヴァンガルドを搭載可能なICBM「サルマート」の発射実験に初めて成功。さらに5月28日にツィルコンの発射実験も実施しました。これに対抗するように、米国は5月14日、ARRWの発射実験を成功させた。極超音速兵器をめぐって両国はしのぎを削っている様子がうかがわれます。

北朝鮮がにらむ核搭載の極超音速兵器

能勢:日本に迫る極超音速兵器の脅威はロシアのそれにとどまりません。北朝鮮の動向が非常に気がかりです。

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