
プーチン大統領のウクライナ侵攻はどこまで進むのか。時事通信でモスクワ支局長を務めた名越健郎氏は同大統領のやり方は「戦略なき柔道外交」とみる。この先に待つのはウクライナの「解体」。プーチン大統領にとってウクライナは独立国でなく「神がロシアに与えた特別な土地」なのだ。
(聞き手:森 永輔)
ロシア軍がついにウクライナの首都キエフの制圧に取りかかりました。名越さんは今後の展開をどう読みますか。
名越健郎・拓殖大学教授(以下、名越):クレムリンに近い存在として知られるロシアの政治評論家セルゲイ・マルコフ氏が2月24日、「独自に入手した」というロシア軍の作戦スケジュールなるものをブログで発表しました。参考になるので紹介しましょう。

作戦は次の5段階で構成されています。
1)空港や軍事施設を攻撃し制空権を確保する。2月24日に実施。
2)ウクライナ軍を包囲し、武装解除・無力化する。2月末までに完了する。
3)ウクライナのゼレンスキー政権を打倒する。2月末から3月初め。
4)新しい権力機構、すなわち暫定政権を樹立する。大都市から統治に着手。3月初め。
5)本格的な政権をスタートさせる。第2次世界大戦でロシアがナチスドイツに勝利した5月9日の記念日は新しい政権が祝う。
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