これまでの連載で取り上げた1人メイカーは、いずれも量産化という課題を抱えていた。試作品までは3Dプリンターなどを活用することで乗り切れても、量産の段階では協力してくれる工場を見つけなければならない。
多くの1人メイカーは後ろ盾がない上、小ロット生産は工場の利益につながりにくい。第2回に登場したエムエスパートナーズの伊藤昌良代表取締役や、第3回のA.Sスポーツの下平美貴代表取締役のように、業界の事情に詳しく、ネットワークを持つ人物に出会えば可能性は広がるが、偶然性に左右される。
1人メイカーやスタートアップからの発注は、手間がかかる割に小ロットでもうからない。工場にとっていい案件とはいえないが、あえて小ロットの生産を受託する企業もある。中国・深圳の協力工場や自社工場を駆使し、設計から量産までを受託するジェネシスホールディングス(HD、東京・千代田)はその1社だ。

ジェネシスHDは全社の売り上げの1~2割に収まる範囲で、スタートアップから依頼された設計や製造を手掛けている。ソースネクスト(東京・港)の音声翻訳機「ポケトーク」製造受託など大口ビジネスも持つが、小口も軽視していない。
[コメント投稿]記事対する自分の意見を書き込もう
記事の内容やRaiseの議論に対して、意見や見解をコメントとして書き込むことができます。記事の下部に表示されるコメント欄に書き込むとすぐに自分のコメントが表示されます。コメントに対して「返信」したり、「いいね」したりすることもできます。 詳細を読む