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 これまでの連載で取り上げた1人メイカーは、いずれも量産化という課題を抱えていた。試作品までは3Dプリンターなどを活用することで乗り切れても、量産の段階では協力してくれる工場を見つけなければならない。

 多くの1人メイカーは後ろ盾がない上、小ロット生産は工場の利益につながりにくい。第2回に登場したエムエスパートナーズの伊藤昌良代表取締役や、第3回のA.Sスポーツの下平美貴代表取締役のように、業界の事情に詳しく、ネットワークを持つ人物に出会えば可能性は広がるが、偶然性に左右される。

 1人メイカーやスタートアップからの発注は、手間がかかる割に小ロットでもうからない。工場にとっていい案件とはいえないが、あえて小ロットの生産を受託する企業もある。中国・深圳の協力工場や自社工場を駆使し、設計から量産までを受託するジェネシスホールディングス(HD、東京・千代田)はその1社だ。

ジェネシスHDはこれまでに40以上の製品の製造をスタートアップから受託した(写真は中国・深圳の工場)

 ジェネシスHDは全社の売り上げの1~2割に収まる範囲で、スタートアップから依頼された設計や製造を手掛けている。ソースネクスト(東京・港)の音声翻訳機「ポケトーク」製造受託など大口ビジネスも持つが、小口も軽視していない。