住宅業界において、異例の急成長を遂げてきた企業がある。価格が高騰する中「買える値段」を追求し、消費者の支持を集めてきたオープンハウスグループだ。売上高は今期(2023年9月期)、1兆円を超えることがほぼ確実な状況となった。だが、その経営の要諦はあまり知られていない。メディアにほとんど露出しないことで知られる、創業者の荒井正昭社長が今回、本誌の独占取材に応じた。「家が買えない」時代の申し子は、いかにして躍進を遂げたのか。そして、今後の不動産業界をどう見ているのだろうか。
■連載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)首都圏マンションは「平均1億円超」 雲の上のマイホーム
(2)オープンハウス、都心から郊外に 「買える値段」追求で売上高1兆円超へ
(3)オープンハウス荒井社長 「イケイケだけど緻密」 で目指す業界No.1(今回)
(4)住宅高騰、地方も続々(上) 地価上昇率日本一、札幌近郊「球場効果」超える構造変化
(5)住宅高騰、地方も続々(下) 京都も福岡も首都圏も 広がる郊外「脱出」
(6)大和ハウス工業 芳井敬一社長「安い住宅供給は使命」
(7)金融緩和が招いた高騰 住宅ローンの仕組みを学べ
(8)有名マンションブロガーのらえもん氏が語る「勝てるマンション、負けるマンション」
(9)池本洋一SUUMO編集長が指南「購入検討は実需で」

2023年9月期決算で売上高1兆1000億円を見込んでいます。1兆円企業を目標に掲げてきましたが、達成できそうでしょうか。
1兆1000億円が1兆円になるだけで約10%ダウンですから、1兆円に届かないということは許されない。普通にいけば、1兆円企業になるという目標は達成できると考えています。ただ、今、ことさら檄を飛ばしてはいません。これまでベンチャー気質でやってきた会社ですけど、それはそのままに、むしろ1兆円企業としてガバナンスやコンプライアンスといった点をレベルアップさせなければという思いが強いですね。
上場してから10年で売上高を10倍にした企業は少ない。ここまできたら、次は業界ナンバーワンを目指したいという大きな目標があります。私自身、個人的に成長してきたと思いますし、既にお金もあります。ですが、誰もが努力すれば一番になれるということを、証明したい。日本の社会全体がそういう思考になればいいなと思っています。
今の30~40代の経営者は頭がいいから、株価が高いうちに会社を売っちゃう人も少なくないですよね。おそらくその方が賢いのでしょう。でも私は旧世代の経営者でして、お金目的ではなくて、やっぱり何かやってみたいんです。うちみたいな会社が、エリート集団に勝てたら痛快じゃないですか。
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