供給過剰状態でも「インバウンド」や「オリンピック」に踊らされ、価格上昇を続けてきた不動産市場。だが、新型コロナウイルスがすべてを変えようとしている。経済活動の低迷や生活習慣の変化は不動産価格にどんな影響を与えるのだろうか。過去には何度も過熱と暴落を繰り返してきた。だが、今回は何かが違う。新型コロナは不動産の値決めの前提すら変えようとしている。(写真:PIXTA)
シリーズ
熱狂不動産、次の風景

9回
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晴海フラッグ入居延期、契約は白紙撤回も可能
東京五輪で選手村として利用し、改装して引き渡す分譲マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の入居延期が決まった。契約者は契約を白紙撤回することも可能だという。同エリアにはほかにも大規模マンションの開発が進ん…
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「中低所得層向け住宅は手堅い」米投資会社フォートレス日本代表
米投資会社のフォートレス・インベストメント・グループで日本代表を務める山下明男氏は、「中低所得層向け住宅こそが手堅い投資先」と説く。2017年に同社が取得した全国10万6000戸の雇用促進住宅は、順次改修されて賃貸住宅と…
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凍てつくマンション市場、「スケールアップ」に商機あり
コロナ禍を受けてマンション市場が冷え込んでいる。物件の流通が記録的な低水準に鈍化する一方で、「より広いマンションに引っ越したい」とのニーズが静かに広がっている。キーワードは「スケールアップ」。「職住近接」を重視してきた都…
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コロナが突き崩す「都心回帰」、経済優先の住宅政策に綻び
新型コロナウイルスの感染拡大で、人口密度の高い都市に住むリスクが改めて浮き彫りになっている。一方で、建造物の容積率緩和など、景気浮揚や不動産価格上昇の観点から都市への居住を促す政策が近年増えていた面も否めない。都市化は不…
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REITが示す不動産の行方、アフターコロナの強者と弱者
年初から堅調に推移してきた東証REIT指数がコロナ禍の影響で3月に暴落した。REITの大幅な下落は不動産セクターにおける「強者」と「弱者」をあぶり出している。REIT市場が示したコロナ後の不動産市場の行方を、ドイチェ・ア…
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「千代田区神話」に異常あり、中古マンション価格が下落
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中古マンション価格が下がりにくい「千代田区」の物件に価格下落が生じている。マンションの価格情報や売買事例を分析する東京カンテイ市場調査部の井出武・上席主任研究員に背景を聞いた。
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バブルに沸いた夢の別荘地、“大洋村”に日はまた昇る
茨城県南東部の鹿島灘沿いに開発された別荘地「大洋村」が、コロナ禍の影響を受けて再注目されている。バブル期に建てられた中古物件をリノベーションして、都心から離れたセカンドハウスとする若い世代が増えているのだ。民泊にも転用で…
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稼働率は一桁、大阪のホテルで相次ぐ身売り話
東京オリンピックや万博を追い風にした訪日外国人数の増加を当て込み、急速にホテルの数を増やした大阪。客室数は8万室ほどになり、供給過剰で利益の出せない状態になっていた。そこに新型コロナウイルスの感染拡大がとどめを刺す。イン…
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新連載:熱狂不動産、次の風景 スタートアップで広がる脱オフィス
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、スタートアップ企業の間で脱オフィスの動きが顕在化しつつある。リモートワークの普及で、「成長企業はオフィスの床面積を増やす」といった神話が崩壊。業績の好不調に関係なく、縮小・廃止し…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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