日産自動車が北米市場で巻き返しを図っている。販売台数を稼ぐために販売奨励金と大口顧客(フリート)への販売に頼り、現在の日産の苦境を形成した元凶だが、世界販売の約3分の1を占める主力市場だ。構造と意識の改革の先頭に立つアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)にその手法などを聞いた。

アシュワニ・グプタ氏  1992年印ジャワハルラール・ネルー工科大卒、96年ホンダシエルカーズインディア・リミテッドを経て、2006年に仏ルノーに入社。購買部門をあゆみ、18年にルノー・日産・三菱 アライアンス LCV(小型商用車)ビジネスアライアンス シニアバイスプレジデント、19年4月に三菱自動車COO、同年12月より日産自動車COOに就任。

北米市場のテコ入れが始まって1年半がたちます。販売の質は高まっていますか。

アシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者、以下、グプタ氏):小売販売に注力しています。すべての新型車は運転支援技術「プロパイロット」など日産独自の技術を搭載し、商品の価値を訴求しています。(今年2月に発売した小型セダンの)「セントラ」を見てください。進歩していると思いますよ。

販売奨励金を絞る中で、難しいかじ取りになっているかと思います。

グプタ氏:確かに、バリューとボリュームのバランスは取らなければなりません。値引きに頼らない売り方をする場合、お客様に魅力を提供する必要があります。それは日産においては、技術や新商品です。魅力を「ブランド」の価値として納得して受け入れてもらえるようにしていきます。

 そのためには、規律正しく、販売の質を高めていく活動を徹底するしかないと思っています。社内も含め、フルバリューチェーンで対応しています。

具体的にはどういったことをしていますか。

グプタ氏:対話が重要です。その上で、教育研修を徹底しています。ディーラーへの啓蒙活動といってもいいかもしれません。まず社内の人間に商品の価値を納得してもらわなければならない。その中で、バリューに焦点を当てなければいけないと伝えています。今後の新型車は、さらにバリューが伝わりやすくしていきます。

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