1999年の「日産リバイバルプラン」で系列サプライヤーと調達コストの大幅削減に切り込んでからおよそ20年。日産と資本関係のある部品メーカーは大幅に減り「系列」の存在感は小さくなったが、それでも日産と取引のある企業は国内1万6000社にも及ぶ。新型コロナウイルスの影響も重なって部品メーカーの事業環境は一段と厳しくなっており、日産のサプライヤーの業績も悪化している。日産の内田誠社長兼CEO(最高経営責任者)は「これまでのありかたを反省し、サプライヤーとの体制を強化していく」と言及。一体となって荒波を乗り越えるためには、信頼関係の再構築が必要になっている。

 1958年創業のある老舗自動車部品メーカーが4月28日、東京地方裁判所へ自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。東京都新宿区に本社を構える萬松だ。負債額は約18億円。樹脂製品や内外装品などを手掛けていた同社の取引先は、日産の一次下請けのマレリ(旧カルソニックカンセイ)や河西工業など。海外進出の失敗から始まり、最後は日産の業績不振が追い打ちとなった。

萬松の破産事件記録

 得意先のメキシコでの生産体制強化にあわせ、萬松は2011年、日産の工場があるメキシコ中部に子会社を設立。ただ日本とは温度などの環境が違う上、現地で発注した金型部品の不具合もあり大量の不良在庫と損失を抱えた。

 海外工場での損失に起因する資金繰りの悪化に追い打ちをかけたのが、日産の経営不振だ。破産事件記録によると、日産の業績不振に伴い17年秋頃からカルソニックカンセイの受注数が大幅に減少。カルソニックカンセイが主要顧客だった萬松も打撃を受けた。新規の受注が獲得できず、不採算の案件でも受注することがあったという。萬松の埼玉工場の売上高は17年4月期の約14億円から19年4月期には約8億9000万円に落ち込んでいた。退職者を募り金融機関に借入金の返済猶予を希望したが、資金繰りは改善せず破産手続きに至った。トヨタ自動車系などとの取引がある九州の生産拠点は新たなスポンサーが名乗りを上げている。

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